研究課題/領域番号 |
19K07640
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
岡田 宣宏 岡山大学, ヘルスシステム統合科学学域, 助教 (60742377)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 乳がん / 脂質代謝 / 細胞系譜 / 治療薬抵抗性 |
研究開始時の研究の概要 |
乳がんにおける治療薬抵抗性の獲得は、乳がん患者の生存率改善に立ちはだかる難問である。乳がんは、悪性化進展過程でがん細胞の性質を変えることにより治療薬抵抗性を獲得し、治療を困難にしていると考えられる。しかし、その制御機構は不明である。本研究では、乳がん悪性化進展過程におけるがん細胞の性質変化の制御機構を明らかにすることを目的とする。さらに、その制御機構を標的することにより、治療薬抵抗性を獲得した乳がんに対する治療効果を検討する。
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研究成果の概要 |
トリプルネガティブ乳がんは、ホルモン受容体陰性であるため内分泌療法に抵抗性を持ち、未だ有効な治療法が確立されていない。そのため、予後が極めて悪く、新規治療法の開発や治療のための分子標的の特定が急務となっている。我々は、NFYAが脂肪酸合成を促進することにより、トリプルネガティブ乳がんの悪性挙動を促進していることを明らかにした。さらに、NFYAの阻害が脂質代謝低下を介し、乳がんの発生および進展を抑制することを明らかにした。この研究により、NFYAがトリプルネガティブ乳がんの治療標的となる可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、脂質合成経路がトリプルネガティブ乳がん治療標的候補として検討されてきた。しかし、脂質合成の阻害が有効な患者の選択、薬剤耐性などについては不明な点が多い。さらに重大な課題が、治療標的としての安全性である。本研究により我々は、NFYAの発現パターンが脂質合成阻害の有効性を見分けるマーカーとして有用であり、さらに、NFYAv1が他の脂質合成酵素の阻害よりも、安全に同程度の効果を得ることを明らかにした。これらの結果は、今後のトリプルネガティブ乳がん治療薬開発において極めて重要な知見であると考えている。
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