研究課題/領域番号 |
19K07641
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
孫 継英 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 准教授 (80397926)
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研究分担者 |
田代 聡 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (20243610)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ARP8 phosphorylation / ATR / replication stress / ARP8 / DNA repair |
研究開始時の研究の概要 |
がん治療の進歩によりがんの長期生存者が増加しているため、抗がん剤や放射線治療による二次がんの発症が特に小児では問題となっている。がん細胞だけでなく正常細胞にも抗がん剤や放射線によりDNA損傷が誘導され、染色体構造異常などの遺伝情報の改変につながることが、二次がんの原因として考えられる。本研究は、DNA複製フォーク障害の修復制御と染色体構造異常の形成抑制におけるATRによるNO80複合体構成因子ARP8リン酸化の役割を検討することにより、INO80クロマチンリモデリング複合体が関与する発がんの分子機構の解明に取り組む。
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研究成果の概要 |
本研究は、DNA複製フォーク障害の修復に関わるリン酸化酵素ATR によるINO80複合体の構成因子ARP8のリン酸化の生物学的意義と発がんやがんの増悪に重要な意義がある染色体不安定性などとの関連を検討した。その結果、ATRによるARP8のリン酸化は、複製フォーク障害により停止した複製の再開や細胞死の誘導や複製ストレス後の染色体異常の形成に関与していることを確認した。これらのことから、ATRによるARP8のリン酸化は複製ストレス後にゲノム安定性を維持する役割を担っていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々は、ATMとATRがINO80複合体の構成因子ARP8をリン酸化することを見出し、ATMによるARP8のリン酸化は染色体転座を抑制することを報告した。しかし、DNA 複製フォーク障害の修復に関与するリン酸化酵素ATRによるARP8のリン酸化の生物学的意義は不明であった。本研究により、ATR によるARP8のリン酸化がDNA 複製フォーク障害を修復する分子機構に関わっていることが解明された。また、ARP8の変異と発がん機構の関連についての証拠も示された。これにより、ARP8リン酸化を標的とした分子標的療法の開発などに繋がることが期待され、がん研究分野への貢献となる。
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