研究課題/領域番号 |
19K07644
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
草野 秀一 鹿児島大学, 総合科学域総合研究学系, 准教授 (10350662)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 低酸素因子 / HTLV-1 / HIC / ゲノム編集 / Hypoxia / HIF-1α / HIF-1 / I-mfaドメインタンパク質 / ウイルス発がん / 転写制御 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV)-1による発がんに重要な役割を演じているウイルスタンパク質であるTax及びHBZが、直接的或いは間接的な相互作用を介して宿主細胞増殖を制御する転写因子である低酸素誘導因子(HIF)-1αの機能に及ぼす影響を分子生物学・生化学的手法を用いて詳細に解析する。 そして、その結果から、これらのHTLV-1タンパク質がHIF-1αの機能をどのように制御し、ウイルス感染維持や細胞のがん化の促進に関与するのかを明らかにしたいと考えている。
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研究成果の概要 |
がん抑制タンパク質と考えられているHICタンパク質が、発がんに関与する低酸素誘導因子(HIF)-1αと相互作用し、その機能を抑制する事を見出した。そして、内在性のHICの発現の低下により、HIF-1αの標的タンパク質の発現が低酸素下で増大することが明らかになり、HIF-1αの機能制御がHICによる発がん抑制に重要である可能性が明らかになった。 興味深いことに、HICを標的とするHTLV-1の発がんタンパク質であるTaxとHBZも相互作用によってHIF-1αの機能を抑制した。このことは、HIF-1αシグナルは、HTLV-1感染細胞の感染維持や増殖において不利に働く可能性を示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、HICによる発がん抑制はHIF-1αを標的としている可能性が示唆された。HIF-1αは、発がんのみならず、がんの転移や薬剤抵抗性にも関与しており、HIF-1αを標的としたがんの診断や治療に有用な知見を得ることができたと考えられる。 HTLV-1の発がんタンパク質であるTaxとHBZが相互作用によってHIF-1αの機能を抑制するという予想外の結果が本研究で明らかになった。このことは、HIF-1αの発現が、HTLV-1の機能に負に働く可能性を示唆し、この研究を発展させることで、今後のHTLV-1による疾患の治療法の開発に重要な知見が得られる可能性を示すことができた。
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