研究課題/領域番号 |
19K07651
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 公益財団法人がん研究会 |
研究代表者 |
中太 智義 公益財団法人がん研究会, がん研究所 がんエピゲノムプロジェクト, 研究員 (10364770)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ERa / Breast cancer / Mutation / FoxA1 / NcoA2 / ATAC-seq / ChIP-seq / K303R / 乳がん / ERα / 転写制御 / 変異体 / エストロゲン受容体α / 点変異体 / 転写制御異常 / ミスセンス変異体 / 内分泌療法 / 再構成転写系 / NGS / 1細胞RNA-seq / がん / 転写制御機構 / ミスセンス突然変異 |
研究開始時の研究の概要 |
エストロゲン受容体ERαは、多様な分子機構により遺伝子の発現を制御するDNA結合型の転写活性化因子であり、乳がんを始めとする様々ながん腫において多様な突然変異の存在が報告されている。いくつかの変異はERα陽性乳がんに用いられる内分泌療法への耐性獲得機構の一端を担うと考えられているが、大部分の変異体における機能異常性の有無や、その異常化の分子機構は不明である。そこで当研究では、申請者の有する転写機構解析法である再構成転写系等の生化学解析法と、細胞生物学的手法を用いたスクリーニングを合わせて用いることにより、網羅的体系的に各変異体の機能異常性を分子レベルで明らかにし、病的意義の有無を明らかにする。
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研究成果の概要 |
変異体ERα-K303Rを発現するMB453細胞のATAC/ChIP-seqにより、K303R及び野生型共に間接的にDNA結合FoxA1へ会合するが、K303Rのみその領域を活性化しNcoA2のFoxA1/DNA複合体への結合を促進することを明らかにし、新規乳がん悪性化モデルを提唱した。 一方、網羅的ルシフェラーゼアッセイにより機能異常性が示された変異体9種もMB453に導入、ATAC/ChIP-seqを行ったところ、恒常的活性化型変異体(Y537S等)同様の異常性を示すA86V/S463Pや、新規異常性(AP1転写因子領域への結合亢進と活性化)を呈するE247K/E380Qを発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで高頻度変異体ERαの解析によるがんの治療や診断への応用がすすんでいる。一方中程度以下の変異については、未解析かつがん化との関連性を統計学的に見出すことも難しい。本研究はこれらの問題点へ切り込むことを目的とし、ルシフェラーゼアッセイやNGS等の網羅的解析を行い、複数の変異体の異常性の有無と新規異常性について明らかにした。特に変異体K303Rの異常性の分子機構(NcoA2のFoxA1会合の促進)を解明、新規がん化機構の提唱を行った。同時に野生型ERαの間接的FoxA1への会合を発見、野生型ERaの新機能を発見した。以上、本研究はERaの新規機能とERα変異を有するがんの理解へつながった。
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