研究課題/領域番号 |
19K07674
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
小林 美穂 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (50630539)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 細胞外小胞 / 内皮間葉移行 / 血管不安定化 / TGF-β / EndoMT/EndMT / エクソソーム / 血管バリア崩壊 / がん転移 / 血管 / 臓器向性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、各臓器向性大腸癌細胞株を樹立し、それらを移植したマウス血管内皮細胞(VEC)における発現分子等の特徴を網羅的に解析することで①臓器向性転移において転移先血管が腫瘍細胞から受ける影響を明らかにする。影響を受けた分子を増減させて癌細胞の内皮細胞への接着性および経内皮遊走を解析することで②腫瘍転移を可能にさせるVECでの原因分子を明らかにする。更に原因分子の機能調節に関わるシグナル分子のFRETバイオセンサーを用いたライブイメージング解析により癌細胞が転移する際のVECおよび癌細胞の動態を観察し、③大腸癌の臓器向性転移における既存血管の役割とその分子機構について総合的に明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究により、がんの増悪化を誘導するトランスフォーミング増殖因子(TGF-β)が、がん細胞から分泌される細胞外小胞(EVs)を介して、間接的に転移を促進する可能性が見出された。TGF-βにより運動・浸潤能が上昇した口腔がん細胞はより多くのEVsを分泌し、そのEVsが正常血管内皮細胞に取り込まれることで内皮間葉移行(EndoMT)による血管のバリア機能の低下が誘導されることが明らかとなった。本研究の成果により、がんの転移前に予測・予防する方法の開発への応用が期待できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、TGF-βはがん細胞から分泌されるEVsを変化させることで、間接的に遠隔転移を促進させる可能性が示唆された。また、本研究の成果から、TGF-βがEVsを介してがん微小環境を越えた遠隔臓器の細胞にも情報を伝えて血管に変化を生じさせることができるという、TGF-βのがん悪性化因子としての新たな役割も発見された。将来、体液中に含まれるEVsを検査することや、がん細胞からのEVsの分泌やEVsによって誘導されるEndoMTを抑制することで、遠隔転移を予防・抑制する方法の開発へ応用されることが期待される。
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