研究課題/領域番号 |
19K07680
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松本 光代 東北大学, 医学系研究科, 助教 (80400448)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | BACH1 / 膵臓癌 / Ferroptosis / EMT / RAS / Cancer / Feroptosis / Pancreatic cancer / フェロトーシス |
研究開始時の研究の概要 |
膵癌は90%以上が癌遺伝子KRASの変異を有している。申請者は最近、転写因子BACH1が膵癌細胞のEMTを促し、より強力な転移能を促すことを発見した。EMTは転移能に加えて、抗癌剤に対する感受性を下げるが、これに対抗する治療薬は未だ開発されていない。申請者は最近、フェロトーシスがBACH1制御下にある知見を得、RAS変異癌がフェロトーシス感受性を示すことに注目した。本研究ではEMTとフェロトーシスに関するこれら2つの知見を合わせ、癌細胞でのBACH1の機能をより詳細に解析し、BACH1依存性腫瘍の判別法開発と、RAS変異癌のBACH1制御力を指標とした新規治療戦略の可能性を探る。
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研究成果の概要 |
本研究期間に申請者は、転写因子BACH1が膵癌細胞のEMTを促し、より強力な転移能の発現を促すこと、およびフェロトーシスがBACH1制御下にあることを証明し、これを報告した。一方で、フェロトーシスはRAS変異癌で特に感受性を示すことが注目されつつある。本研究ではフェロトーシス制御機構を利用した癌治療戦略を考える上で、各細胞内の鉄の代謝機構の違いについてさらに研究を深める必要性を示唆する予備的知見を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵臓癌は難治性がんの1つである。BACH1が膵臓癌の予後不良因子であり、上皮系遺伝子の発現を抑制し、転移を促進するという今回の発見と論文での報告、およびBACH1がフェロトーシス誘導剤感受性を促進するという発見と論文での報告は、新規治療標的もしくは新規治療診断判別法を開発する礎となる可能性がある。また、癌遺伝子RAS活性型変異を持つ癌は約30%にもおよぶことから、フェロトーシス誘導剤による癌治療を考えた時、今後更なる検討が必要ではあるものの、その波及効果は大きいと期待している。
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