研究課題/領域番号 |
19K07698
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
原 敏文 愛知学院大学, 薬学部, 講師 (80456219)
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研究分担者 |
武井 佳史 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (70362233)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 癌転移 / RNA修飾 / RNA / メチル化 / がん転移 / 癌転移の分子機構 |
研究開始時の研究の概要 |
癌の転移は、癌による死の直接的な原因である。しかし、その分子機構は不明な点が多く転移を標的とした癌の治療法は開発されていない。申請者らは、スキルス胃がんの転移に注目し、その分子機構の解析を進める中で新たにRNAのメチル化酵素METTL3の発現が転移能獲得に伴って上昇することを見出した。そこで、本研究ではm6A修飾レベルを申請者らが構築している転移実験モデル系で変動させて、m6A修飾が癌転移で果たす役割を明らかにする。本研究は、遺伝子の機能を制御する上流マスター因子m6A修飾の役割を明らかにすることで、癌転移特異的なm6A修飾を標的とした新たな癌治療戦略の基盤構築を目指す。
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研究成果の概要 |
スキルス胃がんは、高頻度に転移を起こす患者予後の極めて悪い癌である。本研究では、RNAのメチル基転移酵素METTL3が、スキルス胃がんの転移で果たす役割について解析を行った。まず、METTL3の発現を変動させた細胞株を樹立し、細胞機能を解析した結果、METTL3が癌転移で重要な役割を果たすことを明らかにした。次に、抗m6A抗体を用いたRNAの免疫沈降物を次世代シークエンサーにより解析し、癌転移選択的なm6A修飾を同定した。また、遺伝子選択的なm6A修飾の制御するためツールを作製した。本研究は、METTL3を介したm6A修飾がスキルス胃がんの腹膜転移で重要な機能を果たすことを提起している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在の癌治療において、癌転移を標的とする治療薬は開発されていない。その原因の一つは、癌転移の分子機構が未だ解明されていないことにある。本研究では、ヒトスキルス胃がんの腹膜転移細胞モデルを用いた解析により、これまで癌の転移で機能の知られていない数多くのRNAメチル化修飾が同定された。今後、RNAメチル化修飾が果たす役割の解明が進むことにより、癌転移の分子機構の一端を明らかにできる可能性を秘めている。加えて、本研究の成果は、RNAのメチル化修飾が癌転移を予測するための転移予測マーカーをして利用できることを示唆している。
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