研究課題/領域番号 |
19K07700
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
牧瀬 正樹 崇城大学, 薬学部, 准教授 (80433001)
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研究分担者 |
國安 明彦 崇城大学, 薬学部, 教授 (90241348)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | Nup88 / Kif7 / ヘッジホッグ経路 / がん / Gli1 / アンドロゲン受容体 / ジヒドロテストステロン / 前立腺癌 / NUP88 / ソニックヘッジホッグ / ソニックヘッジホッグシグナル |
研究開始時の研究の概要 |
腫瘍マーカーとしての利用も期待されているNup88は、様々な種類の腫瘍組織に多く発現し、がんの悪性化に関与すると考えられています。しかしながら、どのようにこれを促進するのかははっきりとわかっていません。私たちは最近、培養細胞に強制的に発現させたNup88が、がんの増殖にも関わると考えられるソニックヘッジホッグシグナル(Shh)経路を活性化して、がんの悪性化を導く可能性を見出しました。そこで、この研究では、Nup88が本当にShh経路を活性化するかどうか、およびこれを活性化する場合には、どのようにしてがんの悪性化を促進するのかを、いくつかの培養がん細胞を使って調べます。
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研究成果の概要 |
ヌクレオポリンNup88の発現促進機構およびがん悪性化への関与を、前立腺癌細胞株およびHeLa細胞を用いて調べた。前立腺癌細胞におけるNup88の発現は、当初予想とは異なりアンドロゲンに依存して抑制された。一方、HeLa細胞に過剰発現したNup88はKif7の発現を抑制し、Gli1の発現を促進した。すなわち、がん促進にはたらくヘッジホッグ経路を活性化することを見出した。Gli1の発現促進はKif7の発現抑制に依存していたので、過剰発現したNup88はKif7の発現抑制を介してヘッジホッグ経路を活性化することによりがんを悪性化する可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Nup88の発現量とがんの悪性度には正の相関があると報告されている。しかしながら、Nup88ががんの悪性化にどのように寄与しているのかは不明であった。本研究は、Nup88がヘッジホッグ経路を活性化してがんを悪性化するという全く新しい可能性を示した点で重要である。この可能性に基づいた今後の研究展開によりNup88依存的なヘッジホッグ経路の活性化が明確になれば、ヘッジホッグ経路を標的にした新たな抗腫瘍薬の開発の基礎的知見となり得るだろう。
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