研究課題/領域番号 |
19K07715
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
江島 耕二 北里大学, 医学部, 准教授 (30327324)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | T細胞疲弊化 / Eomesodermin / トランスジェニックマウス / 転写因子 / 細胞傷害性T細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
抗腫瘍免疫反応においてしばしば問題となるT細胞の疲弊化の機序には未だ不明な点が多く,詳細解明は急務である。我々はCD8陽性の疲弊T細胞中に高発現する転写因子Eomesの機能を解析するためにEomes-Tgマウスを作成した。このEomes-Tgマウス内のT細胞では疲弊化T細胞の特徴の一部の表出が見られ,EomesがT細胞疲弊化に重要であることが示唆された。これらの結果を踏まえて本研究計画ではEomes-Tgマウス内のT細胞の反応性,発現遺伝子等を詳細に解析することにより,T細胞疲弊化におけるEomesの役割を解明し,新規治療法における標的分子としてのEomesの可能性を検討したい。
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研究成果の概要 |
腫瘍内に浸潤している腫瘍特異的T細胞の中には,機能不全に陥り,腫瘍を攻撃できなくなっている「疲弊化」細胞が見られ,腫瘍の治療においてしばしば問題となる。本研究では疲弊化T細胞内に高発現する転写因子Eomesodermin(Eomes)に注目し,EomesをT細胞に常に高発現させるようなトランスジェニックマウスを作成し解析した。その結果,EomesはT細胞疲弊化を複数の機構により促進することが示唆された。またEomesはT細胞疲弊化誘導において,T細胞疲弊化に重要であることが示唆されているmiR-31とよばれる分子の転写を介していることも示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗腫瘍免疫療法において「免疫チェックポイント阻害」が非常に有効であることは,抗腫瘍療法において腫瘍特異的なT細胞の疲弊化からの回復が重要であることを示している。しかし,T細胞疲弊化の機序の詳細について未だ不明の部分が多く,PD-1やCTLA-4に対する抗体などを用いた既存の治療法以外,このような観点からの新たな治療法開発はあまり進んでいない。本研究において疲弊化T細胞内に高発現する転写因子EomesがT細胞疲弊化に寄与していることが示唆され,Eomesが疲弊化解除のための標的分子となりうる可能性が示唆された。
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