研究課題/領域番号 |
19K07742
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
|
研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
山田 亮 久留米大学, 付置研究所, 教授 (50158177)
|
研究分担者 |
和氣 加容子 久留米大学, 付置研究所, 講師 (40649597)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | HMGB1 / ゲノム編集 / 腫瘍免疫 / 免疫療法 / ダメージ関連分子パターン / 腫瘍微小環境 / マウス / 抗腫瘍免疫 / DAMPs |
研究開始時の研究の概要 |
HMGB1は細胞死により核内から細胞外へ放出される内因性危険シグナルである。HMGB1は免疫抑制的に作用することが示唆されている一方で、TLR2やTLR4、RAGE等を介した自然免疫の惹起とそれに続く特異免疫応答の誘導に重要であるとも考えられており、「HMGB1が抗腫瘍免疫において善玉なのか?あるいは悪玉なのか?」は明確ではない。 本研究では、①HMGB1の腫瘍細胞に対する作用、②HMGB1の宿主免疫系への作用、③HMGB1の治療への応用、の3点について腫瘍免疫学の立場から明らかにし、腫瘍由来HMGB1の制御のがん免疫療法への応用展開と次世代複合免疫療法の確立を目指す。
|
研究成果の概要 |
HMGB1は細胞死により核内から細胞外へ放出されるダメージ関連分子パターンであるが抗腫瘍免疫における役割は明確ではなかった。本研究では、ゲノム編集によりHMGB1欠損マウス腫瘍株を樹立し、抗腫瘍免疫における役割を検討した。HMGB1欠損株は野生株に比べ腫瘍形成が抑制され、この増殖抑制は宿主のCD8T細胞によることが判明した。HMGB1欠損株ではT細胞や樹状細胞の腫瘍内浸潤が亢進していることから、腫瘍由来HMGB1は腫瘍組織内への免疫細胞の浸潤を抑制することにより細胞傷害性T細胞を介した抗腫瘍免疫を抑制していることが示された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
免疫チェックポイント阻害療法は今やがんの主たる治療法の一つとなった。しかしながら、がん微小環境中には種々の免疫阻害因子が存在することから未だ十分な治療成績が得られず、他の治療法との複合療法が模索されている。本研究ではがん細胞に由来するHMGB1が抗腫瘍免疫に抑制的に作用し、HMGB1を阻害することにより抗腫瘍免疫が増強されることを示した。このことは、免疫チェックポイント阻害剤やがんワクチン等の免疫療法へのHMGB1阻害療法の応用可能性を示唆するものであり、今後のがん治療に大いに貢献することが期待される。
|