研究課題/領域番号 |
19K07778
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
|
研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
長尾 則男 県立広島大学, 生物資源科学部, 准教授 (40227989)
|
研究分担者 |
片山 博志 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (90713975)
笹井 香織 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (50722162)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | HER2陽性乳癌 / eEF1A2 / 予測バイオマーカー / アポトーシス / HER2陽性癌 / コンパニオン診断 / 翻訳因子 / 遺伝子シグネチャー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、HER2分子標的薬治療の新たなコンパニオン診断薬として利用することを提唱し、その分子基盤の明確化と有効性を確立することである。本研究では、HER2分子標的療法を受けた乳癌患者由来の組織片に対してeEF1A2とその分子標的治療応答性との相関の解析し、マウスを用いたHER2阻害剤の効果について解析する。
|
研究成果の概要 |
HER2陽性乳癌の奏効性予測コンパニオン診断薬としての翻訳因子eEF1A2発現解析について検討した。IHC解析のHER2陽性乳癌症例でeEF1A2の発現が腫瘍ステージ進行とともに低下し、eEF1A2高発現症例ほど予後が良いことを、HER2陽性乳癌の癌シグナル経路解析からeEF1A2がPTENとタンパク質複合体を形成することで癌抑制タンパク質として機能することを、eEF1A2過剰発現HER2陽性乳癌細胞株でBcl-2ファミリータンパク質のリン酸化レベルが低下し、cleavedカスパーゼ3発現が増加することを見出し、eEF1A2がHER2陽性乳癌細胞の予測バイオマーカーで有望であることを示唆する。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
HER2分子標的薬の効果を予測できる新規コンパニオン診断薬の開発は、非適用患者の治療回避と早急な治療方針策定のためにも重要かつ喫緊な課題である。HER2分子標的薬感受性決定におけるeEF1A2の重要性を踏まえ、eEF1A2発現検査をHER2分子標的薬治療の新たなコンパニン診断薬として利用することを提唱し、その分子基盤の明確化と有効性の確立を目指し、eEF1A2がHER2陽性乳癌細胞においてアポトーシス活性を高める役割を持つ優れた予測バイオマーカーであることを示唆した。今後さらに解析を進めることで、eEF1A2遺伝子発現解析がHER2阻害剤治療の予後予測し得る有用バイオマーカーとして確立したい。
|