研究課題/領域番号 |
19K07803
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51020:認知脳科学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
藤原 寿理 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (30569322)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | fMRI / 意思決定 / 自信 / 社会心理学 / 社会的環境下 / 社会環境 |
研究開始時の研究の概要 |
自らの意思決定や行動を客観的に認知し自信を持つことは重要な社会的態度の一つである。しかしながら意思決定に付随する自信は社会的環境や不確実性に応じて不安定に変化することが考えられる。本研究では、このような社会的環境や不確実性に応じて変化する自信の度合いがプロスペクト理論で説明されるような損失回避傾向を示すのかについて明らかにする。また、自信をアップデートする神経メカニズムについて詳細な脳機能結合解析や遺伝子多型解析など様々な視点から検討する。
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研究成果の概要 |
自分の意思決定に対して自信があるという態度は社会生活において重要である一方、周囲の環境に応じて変動しやすいことが知られている。本研究では、自信の変動について行動学的および神経科学的アプローチにより検討した。結果、自分の意思決定が周囲に対し少数派の場合と多数派の場合において自信がそれぞれ減少あるいは増加する傾向が見られた。一般的な自信を表現している脳領域は先行研究と同様に腹内側前頭前野であったが、周囲の環境に応じた自信の変動には、海馬、側頭頭頂間溝、線条体、前頭前野などが関与しており、自分の意思決定を振り返りながら他者の意見も参照することで最終的な自信の調整を行っていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、われわれ人間がいかに周囲の状況に応じて意思決定に対する自信を調整し、バランスよく生活しているかの神経科学的な背景を示した。本研究の成果は、同調性の乏しさが見られるような自閉症スペクトラム症や他者に過剰に同調する不安症や解離性同一性障害などの神経疾患に対し、新たな知見を提供することができた。また、会社や組織など社会的な環境下において個人の意見を円滑に集団の意見へとまとめていく方法や、消費者に対して満足のいく購買を促すための効果的な宣伝方法の提案など、本成果は多分野において応用が可能であり非常に意義のある研究といえる。
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