研究課題/領域番号 |
19K07839
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 大阪大学 (2020-2021) 千葉大学 (2019) |
研究代表者 |
新庄 記子 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任研究員(常勤) (60794039)
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研究分担者 |
野呂瀬 一美 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任准教授 (30156244)
彦坂 健児 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (30456933)
吉田 裕樹 佐賀大学, 医学部, 教授 (40260715)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 寄生虫 / 薬用植物 / 感染症 / トキソプラズマ / 神経系 / 炎症 / 西洋オトギリソウ / ハイパーフォリン / 脳 / グリア細胞 / うつ病 / ヒペリシン / Hypericum / 神経炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
トキソプラズマ症は、日和見感染症である。ストレス誘発性神経炎症による神経・免疫系ネットワークの撹乱が精神神経疾患や生体防御能力低下の要因として注目される中、トキソプラズマ慢性感染に対する免疫応答はストレスによる神経炎症に拍車をかける危険因子と言える。しかし、ストレスによる原虫再活性化と神経症状発症のメカニズムについては未解明な点が多く、予防と治療に向けて複数の標的を考慮した戦略が必要である。 本研究では、抗神経炎症作用や抗病原体効果などの薬効作用の期待される薬用植物オトギリソウとその同属植物に注目し、マウストキソプラズマ慢性感染モデルにおいて、原虫再活性化と神経炎症に対する効果を検証する。
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研究成果の概要 |
トキソプラズマ症は寄生原虫による感染症であり、世界人口の約30%に蔓延する日和見感染症であるが、妊婦の初感染による胎児への重篤な障害や、免疫不全における感染・再発が大きな問題となる。トキソプラズマは好神経性を示し、脳内慢性感染による中枢神経系における炎症が様々な精神神経疾患を誘発する可能性も示唆されているが、慢性感染に対する治療法はない。 近年、有効性と安全性の両面から伝統医薬の重要性が見直されつつある。 本研究では、オトギリソウ属薬用植物に注目し、抗トキソプラズマ作用を検討し、西洋において抗鬱薬として知られる西洋オトギリソウに高い抗トキソプラズマ作用が期待されることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
トキソプラズマ慢性感染は日本において10-30%に蔓延するとされる。垂直感染が胎児に重篤な脳障害を来す一方、妊娠中の抗トキソプラズマ薬使用は制限されるため、安全性の高い生薬に期待が寄せられる。また、ストレスの蔓延する現代社会において抗病原体効果・抗神経炎症効果を持つ薬用植物資源の探索は、トキソプラズマ症に限らずサイトメガロウイルスなど、その他の日和見感染症に応用できるものであり、さらに神経炎症が関連する様々な精神神経疾患の治療・予防法の開発にも貢献すると期待される。
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