研究課題/領域番号 |
19K07865
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 東京都立産業技術大学院大学 (2020-2022) 三重大学 (2019) |
研究代表者 |
佐藤 正之 東京都立産業技術大学院大学, 産業技術研究科, 特任教員 (70303732)
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研究分担者 |
田部井 賢一 東京都立産業技術大学院大学, 産業技術研究科, 助教 (60609684)
加藤 奈津子 三重大学, 医学部附属病院, 医員 (70750595)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 音楽体操 / 認知症 / 非薬物療法 / 神経心理 / 認知機能 / 脳 MRI / 脳MRI |
研究開始時の研究の概要 |
申請者はこれまで、三重県御浜町・紀宝町、ヤマハ音楽研究所との産官学共同研究で、健常高齢者と軽度から中等度の認知症患者に対する音楽体操の効果をそれぞれ検討してきた。本研究の目的は、音楽体操を活用した一連の非薬物介入研究の最終段階として、重度の認知症患者に対する音楽体操の効果を、神経心理検査とVBMによる大脳灰白質容積の変化により検証することである。重度の認知症に対しては、薬物の効果も限定的であり、非薬物療法の方法論も確立していない。本研究により、健常者ならびに軽度から重度までのフルステージの認知症患者に、地域の人と設備、経済的資源を有効活用した切れ目のない非薬物療法が可能となる。
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研究実績の概要 |
われわれはこれまで,健常高齢者と軽度~中等度の認知症患者に対する音楽体操の有効性を報告してきた (Satoh, PLoS One, 2014; Satoh, JAD, 2017/2020; Tabei, Front Aging Neurosaci, 2017/2018)。本研究は,残る重度認知症に対する効果を調べることを目的としていたが,令和元年度に品川区の複数の施設で開始して間もなく新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) のために対面での体操教室の開催が不可能となり,休止を余儀なくされた。 そこでわれわれは,オンラインで音楽教室を開催できないかを考え,令和3年度には送信側・受信側の機器の設定が確立し,オンラインによる音楽体操教室の体制が整った。 令和 4年度には,沖縄県宮古島と東京品川区の産技大を結び,オンラインに依る音楽体操教室を開催した (宮古島プロジェクト)。宮古島の 2施設,計 20名ほどの中等度から重度の認知症患者を対象に,週 1回・40分の音楽体操をオンラインにて施行した。当初,認知症患者にテレビモニターを介した指示が伝わるか懸念していたが,,施設スタッフの協力により問題なくできた。半年間の介入前後で,オンラインで神経心理検査を施行し,2023年 3月末に全員の検査を終了した。 令和 5年度は,得られたデータを解析し,学会発表そして論文化を予定している。発表する学会は日本認知症学会や日本高次脳機能障害学会などを想定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の当初は予定通り進捗していたが,COVID-19 感染症のために音楽体操による介入を中断せざるを得なくなった。2年余りを経ても感染の終息の気配が見えないため,オンラインによる音楽体操教室を行うことにし,送信側・受信側の体制をは整えたうえで,東京と宮古島を結んだ音楽体操教室を認知症患者を対象に半年間施行し,前後での認知機能のデータを得たところである (宮古島プロジェクト)。当初と内容は少し異なるが,有効性が確認されれば今後の 5G 通信の展開と合わせて島嶼部や僻地での活用が期待される。
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今後の研究の推進方策 |
オンラインでの音楽体操教室の開催を進めていく。令和3年度に,送信側・受信側の機器の設定が完了し,令和 4年度に宮古島を舞台にオンラインによる音楽体操教室を半年間施行した。年度末にオンラインでの神経心理検査が終了し,令和 5年度にはそれらのデータの解析,学会発表,論文化を進めていく予定である。
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