研究課題/領域番号 |
19K07912
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
安田 尚史 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (50403233)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 1型糖尿病 / 免疫細胞 / 細胞内代謝 / 免疫代謝 / AMPK / 解糖系 / mTOR |
研究開始時の研究の概要 |
1型糖尿病(T1D)は細胞性免疫異常を主体とした臓器特異的自己免疫疾患で、T細胞が主体となって膵β細胞傷害を引き起こしインスリン欠乏を来たし糖尿病発症に至る。その結果、T1D患者は一生インスリン治療を必要とするため発症予防は非常に重要であるが、発症予防の試みは基礎研究で得られた知見に基づき、自己抗原を用いたワクチン療法などが試みられてきたが成功には至っていない。本研究は、T1D発症に関わる免疫細胞の代謝状態に焦点をあて、免疫細胞の代謝状態とT1D発症との関連を検討し、免疫細胞の細胞内代謝を制御することで免疫細胞機能を制御し、T1D に対する予防的治療法「免疫代謝療法」の開発を目指すものである。
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研究成果の概要 |
マウスの解析により1型糖尿病(T1D)発症抑制状態では、免疫細胞はmTOR活性化状態(解糖系亢進、エネルギー消費亢進)が抑制され、むしろAMPK活性化状態(酸化的リン酸化亢進、エネルギー産生亢進)であることが明らかになった。このことを踏まえて、T1DモデルマウスへのAMPK活性化薬(解糖系抑制薬)の投与実験を行なった。その結果、T1D発症を抑制し、組織学的にも膵島炎を抑制、脾細胞のフローサイトメトリー解析では、活性化CD4陽性T細胞(Teff)の減少、および制御性T細胞(Treg)など制御性細胞の増加を認めた。以上より、T細胞バランスがTeffからTregへ偏位が示され有効性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、1型糖尿病(T1D)発症に関わる免疫細胞の代謝状態に焦点をあて、自然免疫と獲得免疫の橋渡しをする樹状細胞(DC)および発症に関わるT細胞の代謝状態とT1D発症との関連を検討した。また、免疫細胞の細胞内代謝を制御することで免疫細胞機能を制御し、ヒトT1D に対する新規予防的治療法としての「免疫代謝療法」の開発を目指したものであった。本研究の結果は、T1D発症の制御の可能性を広げ、かつ将来のT1Dによる合併症を未然に防ぐこととなり、平均寿命と健康寿命の延伸に繋がるという点で、大変有意義な研究成果であると考えている。
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