研究課題/領域番号 |
19K07926
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
黒川 真奈絵 聖マリアンナ医科大学, 医学研究科, 教授 (90301598)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 顕微鏡的多発血管炎 / バイオマーカー / 血清ペプチド / 質量分析 / 治療標的 |
研究開始時の研究の概要 |
顕微鏡的多発血管炎(MPA)の新規血清バイオマーカーとして、MPAでのみイオン強度が上昇するアポリポ蛋白質A-IのC末端13アミノ酸残基からなるペプチド(AC13)を見出した。MPAの血中にはAC13以外にもMPAで特異的に強度が増減するペプチドが複数ある。これらペプチド及び親蛋白質を網羅的に同定し、AC13を含めMPAのバイオマーカーとして有用なものを選定する。またAC13は血管内皮細胞のIL-6・IL-8産生を上昇させる炎症惹起能を有するため、その分子学的機序の解明を試みる。
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研究成果の概要 |
顕微鏡的多発血管炎(MPA)のバイオマーカー候補として、アポリポ蛋白質A-I由来断片化ペプチドAC13に加え、補体C4由来の断片化ペプチド及び新規ペプチドを同定した。血管炎モデルSCG/ThpNkcマウスにAC13を投与したところ、高度の尿潜血が対照群より早く出現し、糸球体での半月体形成率が高い傾向を認めた。AC13はMPAの腎における血管炎病態の増悪に関与する可能性が考えられた。また、AC13の受容体候補分子として37kDの蛋白質がスクリーニングされた。MPA特異的な血清ペプチドバイオマーカー候補が複数検出され、AC13はMPAの血管炎病態を増悪させ治療標的となる可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ANCA関連血管炎は、欧米では多発血管炎性肉芽腫症(GPA)の頻度が高いが、本邦ではMPAの方が高頻度で患者数も増加しており、MPA特異的なバイオマーカーの確立及び治療標的分子の解明が急務である。現在MPO-ANCAがMPAの診断に用いられるが、これはGPAや 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)等でも認められ、MPAと他血管炎との鑑別を困難にしている。我々が同定したAC13、補体C4由来ペプチド、新規ペプチドの中で、特にAC13はGPAやEGPAを含む他疾患では認めず腎炎病態を増悪させたことから、MPO-ANCAを凌駕するMPAのバイオマーカーかつ治療標的となることが期待される。
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