研究課題
基盤研究(C)
パーキンソン症候群(PS)などの神経変性疾患においては,これまでの対症療法やリハビリテーションによる治療から疾患修飾療法が開発されつつある.早期からの正確な診断による治療介入が有用であることが期待され,本研究はPS の発症早期からの確実な診断,病態解明,治療戦略の開発に寄与するものである.神経変性疾患は高齢者に多いことからは生体や細胞の老化との関連も推測される.本研究によって神経変性疾患の病態を解明する礎が築かれ,神経科学だけではなく,老化やガンなどの領域にも応用可能な知見をもたらすことが期待でき,本邦の重大な社会問題でもある高齢化社会における国民の健康促進に寄与することが期待できる.
パーキンソン病を含めたパーキンソン症候群(PS)は,原因不明の進行性の神経変性疾患であり,未だに有効な治療法はない.PSでは臨床的に鑑別診断が困難な場合が少なくない.脳脊髄液を用いたプロテオミクス解析にてPSの一種である進行性核上性麻痺(PSP)のバイオマーカー候補としChromogranin B(CHGB),アミロイド前駆タンパク(APP)などの分子を得た.また,microRNAアレイ解析によってPSP特異的microRNA候補を得てきた.これらのバイオマーカー候補について検証研究を進め,PSに対する臨床研究推進のシーズとなることが示唆された.
PSは原因不明で有効な治療法はなく,各疾患の関連や相違など疾患分類や位置づけについてこれまでにも多くの議論がなされてきているが,未だ明らかにはなっていない.PSでは明確なバイオマーカーは確立されておらず,臨床症状,形態画像,薬剤への反応性などから臨床診断するしかなく,病初期には臨床診断が困難な場合が少なくない.バイオマーカーの確立は,早期臨床診断,病態解明,治療戦略開発にむけたシーズになることが期待される.
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