研究課題/領域番号 |
19K08001
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
前田 哲也 岩手医科大学, 医学部, 教授 (70359496)
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研究分担者 |
大野 欽司 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (80397455)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 多系統萎縮症 / 腸内細菌叢 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、腸内細菌叢が医療の分野で注目されている。パーキンソン病(PD)と多系統萎縮症(MSA)は共に神経細胞のαシヌクレイン異常凝集を特徴とする。PDではαシヌクレイン病理が消化管神経叢から迷走神経を通じて脳へと進展し運動障害を発症することが明らかにされてきた。それには腸内細菌叢の関与が考えられ、世界的にも多くの組成解析が報告されている。一方、MSAもまた自律神経障害が必発で消化管疾患として便秘を高頻度に合併する。しかし腸内細菌叢に関する研究は世界的にも極めて少ない。本研究ではMSAで腸内細菌叢の組成分析に加え縦断的に臨床経過との関連性を検討し病態の解明及び進行抑制療法の開発を最終目標とする。
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研究成果の概要 |
パーキンソン病(PD)と多系統萎縮症(MSA)は共にαシヌクレイノパチーであるがMSAでは腸内細菌叢研究が乏しい。本研究では次世代シークエンサーによる16S rRNA解析を行い、属レベルで136個の細菌を検出した。MSA12例と健常者147名を比較したところ、genus EubacteriumのみMSAで有意差な増加を認めた。PDで増加するgenus AkkermansiaはMSAでも増加傾向にあり、PDで減少するgenera Faecalibacterium、Fusicatenibacterは減少傾向にあった。MSAにはPDとは異なる特有の腸内細菌叢が存在する可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
パーキンソン病(PD)と多系統萎縮症(MSA)はαシヌクレインが関与する運動障害疾患である。PDでは発症に腸内細菌叢の関与が指摘されている一方、MSAは便秘を高頻度に合併するが腸内細菌叢研究は乏しい。本研究によりMSAではgenus Eubacteriumが有意差に増加することが分かった。PDで増加するgenus AkkermansiaはMSAでも増加傾向で、PDで減少するgenera Faecalibacterium、Fusicatenibacterは減少傾向であった。MSAにはPDとは異なる特有の腸内細菌叢が存在することが示され、MSAの病態解明および治療法の開発に重要な知見が得られた。
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