研究課題/領域番号 |
19K08018
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 旭川医科大学 (2022-2023) 島根大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
橋岡 禎征 旭川医科大学, 医学部, 教授 (00622523)
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研究分担者 |
竹下 治男 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (90292599)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 電気けいれん療法 / アストロサイト / グリア血管複合体 / アストロサイト終足 / AQP4 / Aquaporin-4 / Claudin-5 / Aquaporin 4 / Gunnラット |
研究開始時の研究の概要 |
電気けいれん療法(ECT; electroconvulsive therapy)は、薬物抵抗性・難治性の精神疾患に有効な身体療法であるが、その効果発現メカニズムは未解明である。本研究は、ECTの治療効果はグリア血管複合体の形成異常の是正を介して発現するという作業仮説のもと、精神疾患様の異常行動とグリア血管複合体の形成異常を呈するGunnラットにECTを施行し、精神疾患様の異常行動の改善と、グリア血管複合体の形態的および機能的変化の相関を詳細に検討する。
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研究成果の概要 |
電気けいれん療法(ECT)は薬物抵抗性の精神疾患に一程度の効果を示すが、その作用機序は不明である。我々はグリア血管複合体の形成異常を有するGunn ラットにECTを用いて、その作用機序を検討した。ECTは、Gunn ラットのうつ病様異常行動を改善する際、前頭葉前辺縁領域、および海馬CA1、CA3領域で低下していたアストロサイト終足による脳血管被覆率を有意に増加させた。また、ECTは海馬におけるAQP4の発現、およびclaudin5の発現を有意に増加させた。以上の結果より、ECTは、グリア血管複合体の形成異常を是正することによって治療効果を発揮している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、ECTの治療効果発現機序にグリア血管複合体の形成異常是正が関与している可能性を見出すことができた。ECTは現在の精神科臨床における最後の砦、いわば生物学的精神科治療のポジティブコントロールともいえるため、現在の薬物療法とは異なる、グリア血管複合体に基づいた新規治療薬開発への発展性が得られた。
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