研究課題/領域番号 |
19K08052
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
浄土 英一 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (50211975)
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研究分担者 |
鈴木 喜明 福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (80423797)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 5-HT2A受容体 / セロトニン受容体 / phencyclidine / PET / 18F-altanserin / schizophrenia / social interaction / rats / 統合失調症 / 内側前頭前皮質 / ラット / altanserin / sociability / 5-HT2A receptors / rat |
研究開始時の研究の概要 |
現在使用されている統合失調症治療薬の多くがドーパミン受容体だけでなく、セロトニン受容体(特に5-HT2A)に対しても遮断作用を有している。しかし、統合失調症の病態発現におけるセロトニン受容体の役割についてはほとんど明らかにされていない。そこで本研究では統合失調症のモデル動物を用いて、陽性症状様の行動異常と陰性症状様の行動異常がそれぞれ顕著な状態において、5-HT2A受容体の放射性マーカーであるF18-altanselinを使用したPETおよびautoradiography計測を実施し、症状に関連した5-HT2A受容体結合能(分布)変化が生じるのかを検討する。
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研究成果の概要 |
18F-altanserinを放射性マーカーとするPET測定を用いて、ヒトに統合失調症様の症状を引き起こす麻薬であるphencyclidine (PCP)をラットに対して亜慢性投与(15回、10 mg/kg/day)することにより、セロトニン5-HT2A受容体の結合能が内側前頭前皮質(mPFC)領域で増加し、この増加の程度とPCP投与後の社会的接触時間との間に有意な負の相関があることを明らかにした。この結果から、mPFCにおける5-HT2A受容体を介したセロトニン伝達の過活性が陰性症状の惹起ないしは増悪に関与している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は統合失調症様の症状をヒトに引き起こす麻薬であるフェンサイクリジン(PCP)慢性投与することにより、脳の前頭前皮質でセロトニン受容体のサブタイプである5-HT2A受容体の密度ないしセロトニンに対する親和性が亢進すること、またこの亢進が陰性症状の指標となっている見知らぬ個体に対する社会的接触時間の低下と関連があることを明らかにした。このことから、統合失調症における陰性症状の発症においても5-HT2A受容体を介した過剰なセロトニン伝達の関与が示唆される。
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