研究課題/領域番号 |
19K08139
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
加藤 孝一 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 ラジオアイソトープ管理室, 室長 (50382198)
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研究分担者 |
熊本 卓哉 広島大学, 医系科学研究科(薬), 教授 (50292678)
原田 龍一 東北大学, 医学系研究科, 助教 (60735455)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | PET / ミクログリア / プリン受容体 / ミエリン / アミロイドβ / クリック / 髄鞘化 / ミエリン化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ピログルタミン酸フェネチルアミド誘導体を基軸にした分子設計、および芳香族アミン類を Click Chemistry を利用して繋ぐトリアゾール誘導体をそれぞれ P2X7 受容体および髄鞘化 PET トレーサーの候補化合物として設計し、in vitro での評価を経た後、11C 等のポジトロン同位体で標識する。モデル動物には、それぞれ脳炎ラットおよび実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)ラットを用いることとし、動物 PET を撮像して活性化ミクログリア、およびその活動によるミエリン構造の変化を評価する。
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研究成果の概要 |
本研究では活性化ミクログリアの活動と、それに伴う神経構造の変化を画像化することが、神経変性疾患の進行・悪化の分子基盤の解明に寄与すると考え、ミクログリアに高発現するプリン受容体P2X7R、およびミクログリアの活動により変化する髄鞘化に対するPETトレーサーの開発を行った。P2X7Rトレーサーの候補化合物に設計したピログルタミン酸アミド誘導体は、受容体への阻害活性を示さず目的を達成することが出来なかった。髄消化トレーサーとして設計したトリアゾール化合物は、髄鞘への特異性を評価することはできなかったが、アミロイドβへの結合親和性を示すものがいくつか見つかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脱髄により神経変性疾患が進行・悪化するため、髄鞘をPETで直接イメージングすることは疾患の病理情報を提供し、鑑別診断を補助するものになる。Click2はアミロイドβに親和性を持たず、脂溶性と平面性を維持する化合物であるため、今後、髄鞘への特異性を確認していき、新しいPETトレーサー開発につなげる。また、Click1を含むいくつかのトリアゾール化合物はアミロイドβに結合する新しい基本骨格である。トリアゾール類は機能収束型の構造変換を行いやすい構造であり、今後、新奇な化学構造を持つアミロイドβイメージングトレーサーとして、ADの早期診断に資するバイオマーカーの開発研究へと展開することになった。
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