研究課題/領域番号 |
19K08195
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
佐藤 浩央 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 助教 (90750571)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 放射線治療 / 腫瘍免疫学 / 免疫チェックポイント / DNA損傷 / PD-L1 / HLA class I / 抗腫瘍免疫 / DNA損傷シグナル / DNA修復シグナル / 炭素イオン線照射 / 放射線腫瘍免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
最新のがん治療である抗PD-1/PD-L1抗体と、放射線治療併用の有効性が明らかになっている。これまでに、 放射線照射後のDNA損傷とその修復応答により、抗PD-1/PD-L1抗体の治療効果に影響するPD-L1が発現誘導されることは分かっているが、一方で、PD-L1以外の免疫関連リガンド発現へ与える影響は十分に解明されていない。 放射線治療と免疫療法の併用を最適化するためには、放射線治療による免疫反応の総合的な解明が課題である。 本研究では、X線および炭素イオン線をもちいて、DNA損傷応答が免疫関連リガンド発現に与える影響を、培養細胞株およびマウスモデルをもちいて総合的に検証する。
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研究成果の概要 |
(1)放射線治療による免疫反応を臨床レベルで解析するため、放射線治療前および治療期間中に採取した子宮頸癌検体を用いて、腫瘍組織中のがん細胞のPD-L1とKu80の発現変化を調べた。免疫化学染色にて治療前と治療中の検体を比較したところ、PD-L1は放射線治療により発現誘導されること、さらにその発現レベルはKu80と相関することがわかった。 (2)培養細胞にて、炭素イオン線照射後のPD-L1発現変化を調べた。その結果、未照射細胞と比較し、炭素イオン線照射後にPD-L1発現誘導を認めた。さらに炭素イオン線とX線を比較した場合、炭素イオン線照射においてより高度にPD-L1発現が誘導されることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
(1)放射線治療により誘導される免疫反応の一部が明らかとなった。PD-L1発現誘導が放射線治療期間中に認められたことから、放射線治療中の腫瘍組織は免疫チェックポイント阻害剤が機能しやすい環境になっていることが示唆された。 (2)炭素イオン線照射はX線よりも高度にPD-L1発現を誘導することから、PD-L1を介した免疫抑制が、炭素イオン線治療後の局所再発の理由の一つである可能性が示唆された。さらに、PD-L1を高発現したがんは抗PD-1/PD-L1抗体治療の効果が高い可能性が示されており、炭素イオン線と抗PD-1/PD-L1抗体併用という新たな治療戦略の有効性を支持する結果であった。
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