研究課題/領域番号 |
19K08202
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
納冨 昭弘 九州大学, 医学研究院, 准教授 (80243905)
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研究分担者 |
金 政浩 九州大学, 総合理工学研究院, 准教授 (80450310)
若林 源一郎 近畿大学, 原子力研究所, 教授 (90311852)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ホウ素中性子捕捉療法(BNCT) / ヨードベンゼン / 液体シンチレータ / プラスチックシンチレータ / 自己放射化法 / 化学クエンチング / ホウ素中性子捕捉療法 / I-128 / Na-24 / 有機シンチレータ / クエンチング / ヨウ素化合物 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者等はヨウ素含有無機シンチレータを用いて高エネルギーX 線がん治療装置周りの光中性子測定研究を進める過程で、自己放射化法の有用性に気づいた。そこで、これを応用・改良し高強度のBNCT 場で適用可能とする開発を申請課題とすることにした。 手持ちのシンチレータ材料とヨードベンゼンを用いて、ヨウ素添加有機シンチレータを試作してその特性を確認済みである。ヨウ素化合物とその添加量が決まれば、 クエンチングの補正量は一意に決定されるので、一般の「液体シンチレーションカウンタ」の様に、個々の測定試料毎にクエンチングの補正を行う必要は無いものと判断しており、高強度中性子検出器としての最適化を試みる。
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研究成果の概要 |
ヨウ素添加有機シンチレータの自己放射化を利用した中性子検出器の開発を行い、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)への適用可能性を調査した。低出力原子炉(UTR-KINKI)で中性子照射実験を行い、I-128以外の放射化成分の解明及び化学クエンチングの検討を行った。また、ヨウ素添加有機シンチレータに対する実際のBNCT場(KUR)での中性子照射実験を行い、短時間での照射及び測定が実用的であるか検討した。前者の実験結果から、ヨードベンゼンの質量濃度が1wt%以下では化学クエンチングの影響が小さいことが判明した。また、後者の実験結果では、短時間照射・測定によって中性子フラックスを適正に評価可能であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)は、これまで研究用原子炉中性子源を用いて臨床研究が進められてきたが、医療施設に原子炉を併設することは様々な理由により困難であった。一方、最近、加速器中性子源が開発され、医療機器として認可されたことにより治療施設の普及が進んでいる。臨床の現場では、それぞれの施設毎に異なる可能性のある中性子場の特性を、迅速かつ正確に把握することが品質保証のために不可欠である。本研究では、これまで標準的に使用されてきた金の放射化法の代わりにヨウ素添加有機シンチレータの自己放射化法が使用可能であることを示した。これは、BNCTの日々のQA/QCに有用であると期待される。
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