研究課題
基盤研究(C)
食物アレルギーに対する免疫療法が検討されているが、未だ有効性・安全性に優れた方法は確立されていない。本研究では、免疫療法に用いる抗原をナノ粒子に封入して皮膚に塗布することで、抗原を皮膚の毛包周囲の樹状細胞に選択的に取り込ませ、制御性細胞を誘導することで免疫寛容を誘導する免疫療法の開発する。また、経皮免疫療法によりどのような制御性細胞が誘導されるかを明らかにし、実際の食物アレルギー患者の治療効果判定への応用を目指す。
抗原を封入したナノ粒子や炎症抑制作用を有する薬剤をアジュバントとして経皮投与する免疫療法を検討した。オボアルブミンOVAを経皮感作させた食物アレルギーモデルを用いた。W/Oクリーム基材にOVA溶液を分散させると、皮膚症状を誘発しなかったが、誘発症状は抑制されなかった。OVAを封入したPoly(d,l-lactidecoglycolide)で作成したナノ粒子の皮下投与では誘発症状は増悪した。アジュバントとしてタクロリムスを用いた場合、誘発症状は増悪した。JAK阻害剤を用いた場合、誘発症状は抑制されなかったが、特異的IgG2a産生が選択的に抑制された。
食物アレルギーに対する免疫療法が検討されているが、未だ有効性・安全性に優れた方法は確立されておらず研究段階の治療として位置づけられている。食物アレルギーの発症には経皮感作が関与し、皮膚の炎症が誘発症状の増悪因子と成り得ることから、本研究で得られる抗原の投与方法、アジュバントの免疫療法としての効果は新たな経皮免疫療法を確立する上で重要な情報となる。また、近年、アトピー性皮膚炎とそれに伴う食物アレルギーの予防策として保湿剤等による早期介入が注目されているが、経皮的抗原暴露による食物アレルギーの誘発症状を増悪する条件が明らかとなれば、発症予防策を検討する上でも有用な情報となる。
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