研究課題/領域番号 |
19K08302
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
上野 健太郎 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (20644892)
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研究分担者 |
河野 嘉文 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (20260680)
野村 裕一 独立行政法人国立病院機構鹿児島医療センター(臨床研究部), 小児科, 研究員 (90237884)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 川崎病 / DAMPs / HMGB1 / 自然免疫 / HMGB-1 / 分子標的治療 / 冠動脈病変 / 急性冠症候群 |
研究開始時の研究の概要 |
川崎病は冠動脈病変は小児後天性心疾患の最大の原因である。申請者らは、in vitro研究を行った結果、活性化されたHigh mobility group box-1(HMGB-1)シグナルが、冠動脈病変の主要因となるTNF-αの発現を亢進させることを明らかにした。また、これらの変化は抗HMGB-1抗体投与で抑制されることを示した。本研究ではHMGB-1シグナルの活性化が冠動脈病変の発症に関与していることを示し、HMGB-1を標的とした分子標的治療が冠動脈病変の発症を抑制することを明らかにする。急性期冠動脈病変発症を予防し遠隔期の急性冠症候群への進展を予防する新たな治療戦略として発展させたい。
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研究成果の概要 |
私たちは、川崎病モデルマウスを用いた研究で、damage associated molecular patterns (DAMPs) の中心的役割を担うHigh mobility group box-1 (HMGB1) が、マクロファージや冠動脈組織のNLRP3/Caspase1を活性化し、冠動脈病変形成に関与するIL-1βやTNF-αの発現を誘導することを明らかにした。さらに標準的な治療である免疫グロブリンに抗HMGB1抗体を投与すると、これらの発現が低下し冠動脈組織障害が軽減することを見出した。HMGB1を枢軸とした免疫応答制御は、川崎病冠動脈病変を減少させる新規治療薬として有望と考えた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
川崎病治療における抗HMGB1抗体投与は、NLRP3/Caspase1シグナルの抑制および冠動脈病変形成に関与するIL-1βの発現を抑制した。宿主自然免疫応答の制御は、川崎病冠動脈病変を抑える重要な役割を担っていると確信した。本研究は、HMGB1を枢軸とした宿主自然免疫応答制御による新たな川崎病の治療戦略を確立し、臨床応用へ展開する基礎的な研究である。小児後天性心疾患の最大の原因である川崎病冠動脈病変の形成を抑え、遠隔期における臓器障害や急性冠症候群・動脈硬化を抑えることができれば、長期予後を見据えた新たな治療戦略として期待できる。
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