研究課題
基盤研究(C)
先天性心疾患の中で最も頻度が高いのは心臓流出路の異常である。心臓流出路は心筋と血管平滑筋をつなぐ連結部で、様々な由来細胞、すなわち二次心臓領域細胞群、心臓神経堤細胞群、心外膜前駆細胞などが関わることが知られている。さらに我々はこの流出路形成に原羊膜壁側中胚葉細胞群、心臓神経堤以外の神経堤細胞群が関わることを報告している。本研究ではこれら細胞群の単一細胞レベルの解析、各細胞間の相互関係および分子メカニズムを検討し、心臓流出路における形態形成過程を包括的に3次元で捉え全体像を明らかにすることにより異常の原因を究明する。
心臓流出路は心筋と血管をつなぐ領域で、この部位の異常は先天性心疾患の中で最も頻度が高い。心臓流出路を形成する細胞は二次心臓領域細胞、心臓神経堤細胞(後耳胞神経堤細胞)、前耳胞神経堤細胞、原羊膜壁側中胚葉、心外膜前駆細胞などある。本研究では胎生期の心臓流出路の形態形成過程を3次元的に捉え全体像を明らかにするシステムを構築することである。神経堤マーカーWnt-1-Creマウスでの大動脈弁、肺動脈弁での神経堤細胞の分布を確認した。さらにニワトリキメラ胚で後耳胞および前耳胞神経堤細胞は大動脈弁、肺動脈弁で分布に違いのあることが明らかとなった。
先天性心疾患の発生原因、形態形成、治療および修復術の向上のためには発生過程における心臓形成の解析が有力な情報となる。先天性心臓疾患の中で最も異常が多く見られるのは心臓流出路である。心臓流出路は様々な由来部域から派生する細胞で構成され、二次心臓領域細胞、心臓神経堤細胞(後耳胞神経堤細胞)、前耳胞神経堤細胞、原羊膜壁側中胚葉、心外膜前駆細胞などある。本研究により後耳胞神経堤細胞が大動脈弁と肺動脈弁に分布するという事実は、弁の石灰化を考える上で重要な要素となり得、また発生の初期に出現する原羊膜壁側中胚葉が心臓に侵入し甲状腺の血管網にも関与していることは血管形成の研究分野に重要な情報を示すものである。
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