研究課題/領域番号 |
19K08330
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 千葉大学 (2021) 東京女子医科大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
濱田 洋通 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (10453789)
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研究分担者 |
小林 弘信 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (50729019)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 川崎病 / 血小板 / 血管炎 / 小児 / CD69 / ミオシン軽鎖 |
研究開始時の研究の概要 |
小児の急性血管炎である川崎病においてCD69-Myl9(ミオシン軽鎖9)システムの関与を検討する.遺伝研究や免疫学研究により川崎病炎症のメカニズムの一部はわかってきたが,一峰性の経過で動脈壁に炎症が発生し収束する時間的空間的機序は不明である。血小板活性化が川崎病の経過に深く関わっていることから、血小板から放出されるMyl9とその受容体CD69がこの疑問に答える鍵になると仮説を立てた。川崎病病理組織の検討、患児の血中Myl9濃度と川崎病活動性との関連、冠動脈炎モデルマウスにおいてCD69やMyl9を制御した場合の動脈リモデリングへの影響を検討する。既に作成してあるヒトMyl9抗体の川崎病治療への臨床応用の可能性に繋げたい。
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研究成果の概要 |
日本人小児に多い原因不明の病気、川崎病では心臓冠動脈瘤を合併することが最も重要な後遺症である。川崎病では血小板が活性化されるが、そこから分泌されるMyl9が他の小児熱性疾患に比して有意に上昇しており、Myl9の受容体CD69を持つ炎症細胞が血管内に誘導されていた。さらに川崎病で亡くなった児の心臓組織ではMyl9が血栓や血管壁に発現しており時間経過とともに分布が変化していた。冠動脈炎誘発マウスモデルでは冠動脈組織において先にMyl9が発現しその後炎症細胞浸潤が認められた。これら結果から活性化血小板からMyl9が放出され血管壁に炎症細胞が誘導されることが川崎病血管炎の機序の一部と示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
全身性炎症性疾患の川崎病において、動脈瘤を起こす血管炎症の機序の一部を解明した。川崎病の最大の合併症である冠動脈瘤を予防する特異的な治療の開発につながる成果である。現在の標準治療である血漿分画製剤にかわる治療薬の開発ができれは、子ども達の健康に寄与する。
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