研究課題/領域番号 |
19K08354
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
|
研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
嶋田 和也 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30439781)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 先天性サイトメガロウイルス感染症 / 先天感染 / 胎内感染 / ヒトサイトメガロウイルス / 分子生物学 / CMV |
研究開始時の研究の概要 |
先天性サイトメガロウイルス感染症は、サイトメガロウイルスの胎内感染が原因であるが、その発症機序はほとんど不明のままである。我々は、サイトメガロウイルスの潜伏感染タンパク質ORF152が神経系細胞内Ca2+濃度を上昇させることを見出した。Ca2+は神経機能に多大な影響を及ぼすため、ORF152の機能を解明することは、先天性サイトメガロウイルス感染症の発症機序を解明する突破口となることが期待される。そこで、本研究は、このORF152が神経機能と脳の発達に与える影響を明らかにすることを目的とする。これにより、先天性サイトメガロウイルス感染症の治療法および予防法の研究基盤を確立する。
|
研究成果の概要 |
妊婦がサイトメガロウイルスに初感染すると、胎盤を経由して胎児にウイルスが移行し、胎児は神経学的異常を呈する重篤な先天性サイトメガロウイルス感染症を発症する。しかしながら、サイトメガロウイルスが神経機能と脳の発達に与える影響は、ほとんど解明されていない。 サイトメガロウイルスを神経系細胞に感染させると潜伏感染関連タンパク質ORF152を発現し、ORF152がCAMLと結合することで、神経系細胞内カルシウム濃度を上昇させることを見出した。また、ORF152は、カルシウムシグナル伝達を修飾し、神経変性を引き起こしている可能性が示唆され、先天性サイトメガロウイルス感染症の病態の一端を解明できた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
先天性サイトメガロウイルス感染症は、サイトメガロウイルスの胎内感染が原因であるが、その発症機序はほとんど不明のままである。近年、妊娠中にサイトメガロウイルスの初感染を来す症例が増加傾向にあるため、先天性サイトメガロウイルス感染症に対する早急な治療法、及び予防法の確立が望まれている。 サイトメガロウイルスの潜伏感染関連タンパク質ORF152が神経系細胞内カルシウム濃度を上昇させることを見出した。カルシウムは神経機能に多大な影響を及ぼすため、ORF152の機能を解明することは、先天性サイトメガロウイルス感染症の発症機序を解明する突破口となることが期待される。
|