研究課題/領域番号 |
19K08385
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
井上 淳 東北大学, 大学病院, 助教 (60455821)
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研究分担者 |
嘉数 英二 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (20509377)
岩田 朋晃 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (30803647)
二宮 匡史 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 助教 (70583938)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | HBV / 小胞輸送 / Rab5B / CD63 / B型慢性肝炎 / Rabタンパク質 / B型肝炎ウイルス / ウイルス性肝炎 |
研究開始時の研究の概要 |
B型肝炎ウイルス(HBV)は感染肝細胞において侵入、複製、放出に至る生活環を形成している。本研究では、1.感染性HBV粒子の新規定量法の確立、2. HBV粒子形成・放出(生活環後期)における輸送機構の解明、3. HBV感染成立(生活環前期)における輸送機構の解明、4.HBV感染が小胞輸送に与える影響、5. 感染性HBV粒子と小胞輸送が変化することの臨床的意義の検討、の5つを大きな柱とし、HBV生活環における輸送経路の全体像を明らかにしてB型肝炎の病態のさらなる理解と新しい抗HBV療法開発の基盤となる成果を上げることを目的とする。
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研究成果の概要 |
B型肝炎ウイルス(HBV)が肝細胞の小胞輸送システムに与える影響について、Rabタンパク質を中心に検討を行なった。Rab5BはHBV放出を制御しているが、急性感染の臨床検体や培養細胞を用いた検討でHBVはRab5B発現を低下させており、HBV放出が増加する方向に働くことが分かった。一方、慢性感染においてはその発現が増加しており、血清中HBV DNA量と有意な相関を認めることから別な機序によりB型慢性肝炎の病態形成と小胞輸送システムの変化がリンクしていることが示唆された。また、HBVのエンベロープの形成過程において、エクソソームのマーカーであるCD63が必要であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
HBVは一度持続感染すると排除が困難なウイルスであり、持続感染メカニズムの解明は新たな治療法の開発において必要とされている。本研究ではHBV感染がRab5Bの発現に影響し、自身の肝細胞からの放出をコントロールしていることが明らかとなった。急性感染ではウイルス放出を増加させて感染肝細胞を増加させている一方、慢性感染では放出を抑制して免疫から逃れている可能性が示唆された。また、ウイルスを覆っているエンベロープの形成にCD63という分子が必要であることも明らかとなったが、これらの分子は新しい治療法のターゲットの候補となり得ると考えられた。
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