研究課題
基盤研究(C)
Regenerating gene (Reg)は、損傷された膵臓が再生する過程で誘導される遺伝子としてクローニングされ、膵ラ氏島に対して細胞増殖作用を有し、膵再生関連因子として注目されている。また膵臓だけで無く、消化管粘膜の障害後の再生にもRegが関わっていることが知られている。本研究課題では、7遺伝子で構成されるReg familyのうち、6遺伝子を欠損させたマウスを作製、解析し、Regの本質的な生体内での役割解明を目指す。
慢性膵炎モデルマウスにおいてRegenerating gene (Reg) familyが顕著に上昇しており、膵線維化に関わっている可能性が示唆された。Reg1,2,3a,3b,3d,3g,4の7つの遺伝子からなる。本研究課題でReg1,2,3の6遺伝子を欠損したマウス(Reg-/-)を樹立した。Reg-/-マウスは野生型と差が見られなかった。急性膵炎惹起刺激を行うと、病理学的重症度には差が見られなかったが、その後の再生に遅れが見られ、膵線維化の原因細胞である膵星細胞の活性遷延が確認された。つまりReg familyが膵星細胞の活性化に影響していることが示唆された。
慢性膵炎は膵内の持続的な炎症により、膵外分泌細胞の脱落と線維化を特徴とする原因不明の慢性炎症性疾患である。膵外分泌、内分泌機能の低下による消化・吸収障害、糖尿病に加え、膵癌を高頻度に併発することから、原因の解明と治療法の開発が急がれている。その線維化の中心的な役割を果たすのが膵星細胞であり、同細胞をいかに制御するか、に注目が集まっている。本研究課題ではその制御機構の一つとして、Reg遺伝子に注目し、解析を行ったものであり、Regを介した膵星細胞の活性化機構の解明が新たな治療標的となる可能性がある。
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