研究課題/領域番号 |
19K08439
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
山下 篤哉 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (00334871)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | HBV / 転写機構 / 抗HBV化合物 / HBx / HBV cccDNA / 抗ウイルス化合物 / cccDNA / 抗ウイルス薬 / 化合物スクリーニング系 |
研究開始時の研究の概要 |
B型肝炎ウイルス(HBV)は、肝細胞の核内でcccDNA (covalently closed circular DNA)を形成・維持するが、これがB型肝炎治療を困難にしている最大の原因である。そこで、本研究では、HBV HBxタンパクがHBV cccDNAのような染色体外の環状DNAの転写のみを優先的に促進するというユニークな転写制御機構に着目し、この制御機構を抑制する化合物の探索を行う。具体的には、抑制化合物を探索するためのセルベースの化合物スクリーニング系を構築する。更に、構築したセルベースの化合物スクリーニング系を用いて、様々なスクリーニングソースから、治療薬候補化合物の探索を目指す。
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研究成果の概要 |
我々は、B型肝炎ウイルス(HBV)のXタンパクの発現を制御しているエンハンサー I/Xプロモーターを標的部位とし、FDA承認済み薬剤ライブラリーの中からその活性を抑制する化合物の探索を行った。その結果、22種の1次ヒット化合物(活性を抑制する化合物)を得た。次に、1次ヒット化合物がHBVの増殖を抑えるかについて検討したところ、4種の2次ヒット化合物を得た。更に、4種の2次ヒット化合物はHBVの感染の阻止及び細胞内のHBV cccDNAも減少させた。この結果より、エンハンサー I/Xプロモーターを標的部位とした新たなB型肝炎の治療薬の開発に繋がる可能性があることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
B型肝炎ウイルス(HBV)感染症の治療薬はインターフェロンや核酸アナログ製剤であるが、これらの治療薬は薬剤耐性ウイルスの出現や副作用などの問題あり、継続的な治療が困難なケースがある。また、これらの治療薬では感染者の肝臓に存在するHBV のウイルス遺伝子のHBV cccDNAの完全排除が困難な為、治療後、B型肝炎の症状が収まった後にも、再活性が起こるケースがある。その為、HBV cccDNAが完全排除出来る治療薬の開発が望まれている。従って、本研究の成果からHBV cccDNAの完全排除の治療薬の開発に繋がれば、その社会的な意義は大きなものになると思われる。
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