研究課題/領域番号 |
19K08441
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山本 明子 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (60402385)
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研究分担者 |
石黒 洋 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (90303651)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 膵導管細胞 / 中鎖脂肪酸 / カルニチン / 脂肪酸 / 膵外分泌 |
研究開始時の研究の概要 |
中鎖脂肪酸は長鎖脂肪酸より速やかにエネルギー源となり、インスリン抵抗性も改善し、栄養不良や炎症状態が持続しているような糖質利用が低下している病的状態では糖質にとって代わる最適なエネルギー源である。一方、カルニチンは中鎖脂肪酸のミトコンドリア内への取り込みを促進し、効率よく中鎖脂肪酸をエネルギーに変える可能性がある。カルニチンは体内で25%がアミノ酸から合成され、75%が小腸・大腸を介して食事から摂取される。消化吸収機能が低下している患者や高齢者では、生合成や吸収低下によるカルニチン欠乏が起きやすいが、カルニチン欠乏が消化吸収機能にどのような影響を与えるかは検討されておらず、これを明らかにする。
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研究成果の概要 |
重炭酸緩衝液の表層灌流にて0.45±0.04nl/mim/mm2の基礎分泌を認め、ラウリン酸の投与で0.71±0.02nl/min/mm2と約60%増加し、さらにカルニチン(50μM)を加えると0.94±0.04 nl/min/mm2と約30%増加した。表層還流液からグルコースを除くと10分後には水分泌は0.23±0.03nl/mim/mm2まで減少したが、C12の投与で0.52±0.10nl/mim/mm2まで回復し、さらにカルニチンの投与で0.61± 0.12 nl/min/mm2まで増加した。OCTN2、FABPpm、FATP4、CD36、FFAR1、FFAR4のmRNAが発現していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中鎖脂肪酸(本研究ではラウリン酸:C12)は、炎症状態下でも安全な優れたエネルギー供給源として役立ち、インスリン抵抗性も改善するため、栄養不良や炎症状態が持続しているようなインスリン抵抗性が増し、糖質利用が低下している病的状態では糖質にとって代わる安全で最適なエネルギー源であることが報告されている。今回の検討では、グルコース非存在下でも、膵導管細胞は中鎖脂肪酸をエネルギー源として利用可能であり、膵臓での水分泌を促し、カルニチンの投与でさらに膵導管細胞での水分泌が増加した。膵外分泌の低下している慢性膵炎などの低栄養状態の患者に中鎖脂肪酸とカルニチンの同時投与は低栄養の改善に大いに期待できる。
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