研究課題/領域番号 |
19K08457
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
河村 由紀 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 室長 (10392391)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 食道扁平上皮 / /幹細胞 / 幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
消化管粘膜は、幹細胞から上皮細胞が新しく供給されることによりその恒常性が保たれている。胃・腸では幹細胞マーカーであるLgr5、Bmi1等が同定されており、幹細胞のheterogeneityと共にそれらの機能の詳細な解明が進んでいる。これに対し、食道粘膜では基底部に存在する基底細胞が、非角化重層扁平上皮細胞に分化しながら管腔側へと移動することが知られているが、胃や腸の幹細胞に相当する細胞が存在するか、その特異的分子マーカーの同定も含めて詳細は明らかにされていない。本研究の目的は、我々が新たに見出した、基底細胞に限局して発現する分子群の幹細胞機能への寄与について明らかにすることである。
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研究成果の概要 |
胃や腸では幹細胞マーカーとしてLgr5、Bmi1等が同定されているが、食道では特異的分子マーカーは未同定であり、幹細胞の詳細も明らかにされていない。本研究では、食道の幹細胞に相当すると考えられている基底細胞に限局して発現する分子群のうち、グルタチオンS-転移酵素ωクラスに属するGSTO2に着目した。これまでヒト食道基底細胞は増殖マーカーKi67陽性の均一な集団と考えられていたが、GSTO2発現細胞はKi67陰性を示すことから、ヘテロな集団であることが明らかとなった。機能的にもGSTO2は上皮細胞の増殖と分化を抑制することから、幹細胞において重要な役割を果たしている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
消化管粘膜は、幹細胞から上皮細胞が新しく供給されることで恒常性が保たれている。本研究により、食道にも胃や腸のように、細胞回転速度の異なるヘテロな細胞集団が存在することが明らかとなった。より細胞回転の遅い、所謂”dormant”幹細胞集団を見分けるマーカーの同定は、食道幹細胞研究に対する学術的貢献度が高いと考えられる。幹細胞の理解は、組織傷害に対する幹細胞を用いた治療法の開発にも繋がると期待され、社会的意義も大きい。
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