研究課題/領域番号 |
19K08462
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
横山 純二 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (70422615)
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研究分担者 |
寺井 崇二 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00332809)
牛木 辰男 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40184999)
高村 昌昭 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (20422602)
八木 一芳 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任教授 (20220121)
冨永 顕太郎 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (60812154)
佐藤 裕樹 新潟大学, 医歯学系, 助教 (50644556)
早津 学 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40468898)
川田 雄三 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任助教 (00868747)
小島 雄一 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任助教 (30887625)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 小腸絨毛基底膜 / 脂肪吸収 / 肥満 / 腸内細菌 / 小腸内細菌増殖症 |
研究開始時の研究の概要 |
基礎研究として、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡を用いたラット、肥満型マウスにおける小腸絨毛基底膜の窓と、そこを通過するカイロミクロンおよび自由細胞との関連を検討し、脂肪吸収の効率とその制御機能につき解析を行う。併せて、臨床研究としてヒトの小腸生検組織での窓の評価と、高脂肪食負荷を行った上での十二指腸絨毛と空腸絨毛のカプセル内視鏡観察を行うことにより、生体における新たな脂肪吸収評価法の確立を行う。さらに、小腸内細菌増殖症(SIBO)の状態の測定と脂肪吸収の効率、窓との相関を検討することにより、腸管因子からみた肥満のメカニズムや肥満についての新しい診断法、治療法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
肥満者にみられる十二指腸絨毛の白色変化を光学顕微鏡で観察すると、リンパ管拡張所見はみられず、細胞内や細胞間隙に蓄積したカイロミクロンを反映しているものと思われた。電子顕微鏡での観察結果と合わせ、小腸絨毛基底膜にみられる窓は、カイロミクロンの中心乳糜管への運搬を調整しており、肥満者においては、カイロミクロンの通過を厳しく制限している可能性が示唆された。すなわち、基底膜の窓は、高脂血症、肥満の抑制に寄与する方向に働いていると推察された。また、脂肪吸収の効率と基底膜の窓との相関については、腸管壁バリア機能の破綻や、小腸内細菌増殖症との関連も含め総合的に検討する必要があると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
電子顕微鏡を用いた小腸絨毛基底膜の観察を行った研究は数少ない。窓の存在は知られてはいたが、その役割や食事による評価に関する報告はなく、ヒトにおける窓の評価に関しても皆無であった。小腸からの脂肪吸収メカニズムについては、乳糜管への回収、吸収の面からも研究がすすめられているが、基底膜の窓に注目した研究報告はなく、今回の成果は、小腸の脂肪吸収メカニズムの解明に大きく貢献できるものと考える。肥満者と健常人における脂肪吸収効率の違いと窓との関連についてさらに解明されれば、肥満の病態解明につながり、社会的にも重要な意義を持つ。
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