研究課題/領域番号 |
19K08464
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
|
研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
平松 活志 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 准教授 (30646849)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 肝細胞癌 / HLA-Class II / 腫瘍関連マクロファージ / M2 マクロファージ / M2 マクロファージ / HLA発現亢進 / HLA / 次世代シークエンサー / 蛍光多重免疫染色 |
研究開始時の研究の概要 |
HLA(Human Leukocyte Antigen)はあらゆる段階の免疫反応を成立させるために必須の分子であるが、がん免疫およびその回避機構における役割は不明な点が多い。そこで、本研究ではがん抗原の提示や認識に関わるHLAclassII分子に着目し、がん微小環境におけるその役割を解析する。まずは、次世代シークエンサーを用いて肝がん組織におけるHLA関連遺伝子の網羅的発現解析を行う。次に、新規の蛍光多重免疫染色の技術を用いてHLA-class II分子の発現細胞の同定と発現様式の検討する。
|
研究成果の概要 |
肝癌13症例の手術標本を用い、次世代シークエンサーにて癌部と非癌部の発現解析を行ったところHLA関連遺伝子の発現が有意に亢進している症例群が同定された。さらに肝細胞癌85症例の組織標本の蛍光マルチプレックス免疫組織化学染色を行ったところ、腫瘍内HLA-DPB1陽性細胞の多くはCD163陽性M2マクロファージであった。さらに、機械学習アルゴリズムを用いてCD163陽性細胞の形態(円形、紡錘形)を自動解析したところ、CD163陽性・円形マクロファージ(円形CD163)は腫瘍内で有意に増加しており(P<0.05)、腫瘍内CD8および無再発生存期間と有意に正の相関を示した(P<0.05)。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝癌の免疫微小環境において、腫瘍内HLA-DPB1陽性細胞の多くはCD163陽性M2マクロファージであることが判明した。これらは一般的には腫瘍免疫の抑制に関与していると考えられているが、詳細は不明であった。そこで、これらの形態の違い(円形、紡錘形)に注目して検討したところ、CD163陽性・円形マクロファージはCD8陽性リンパ球と共に腫瘍内に存在して無再発生存の延長に寄与していることが明らかとなった。同機序の解明が新たな治療開発につながる可能性が示唆された。
|