研究課題
基盤研究(C)
現在、クローン病の診断を行うためには内視鏡検査が重要であるが、高侵襲のため、より簡便で侵襲の少ない診断法の確立が期待されている。これまでに我々は、ACP353という自己抗体がクローン病の患者さんに特異的に増加していることを見出した。もしもACP353が認識している抗原がわかればクローン病の血液診断が可能となり、さらにクローン病の原因の解明や新たな治療法の開発に繋げることができる。この研究では、ACP353が認識している抗原を決定し、それをもとにクローン病の血液診断の測定法を確立する。次に、ACP353が認識している抗原がクローン病の原因に関係しているかを検討する。
ACP353対応抗原のメインエピトープはC末5アミノ酸残基(GLFPN)である。本研究で、ACP353よりもクローン病(CD)検体と強く反応する配列が複数見つかり、これらの配列上の特徴はCXXGLFPNであった。つまり、抗原ペプチドのN末端をCysとすることでACP353の反応性を向上できた。これらの配列は、ヒト、共生細菌、寄生虫のタンパク質に由来するが、ACP353対応抗原を決定するには至っていない。さらにCDの原因菌の可能性がある大腸菌AIECとACP353の反応性をwestern blot法で確認したが特異的なものは判別できなかった。ACP353対応抗原の決定にはさらに検討が必要である。
もしACP353の対応抗原が同定できれば、ACP353よりも優れた感度と特異度を持つクローン病(CD)診断マーカーの測定系を構築することができ、その結果CDの診断が内視鏡を使用せずに血清のみで行える可能性がある。さらにACP353の対応抗原がCDの病因に関わっていることが明らかになれば、原因不明とされるCDの病態解明のbreakthroughとなり、ひいては根治療法へとつながる可能性がある。
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