研究課題/領域番号 |
19K08599
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
藤本 圭作 信州大学, 医学部, 特任教授 (70242691)
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研究分担者 |
北口 良晃 信州大学, 医学部附属病院, 助教(診療) (40447751)
川内 翔平 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 助教 (80827965)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 慢性閉塞性肺疾患 / 動的肺過膨張 / 過呼吸 / 最大吸気量 / 肺過膨張 / 運動耐容能 / QOL / SGRQ-C / 運動負荷 / 呼吸困難感 / 過去吸 / 呼吸リハビリテーション |
研究開始時の研究の概要 |
呼吸数増加に依存して肺が過膨張となる動的肺過膨張(DLH)は慢性閉塞性肺疾患に特徴的な病態で、労作時息切れ、運動耐容能低下の重要な要因である。本研究は呼吸リハビリテーション(PR)がDLHを改善させ得るのかを検証する。安定期にある中等症以上のCOPD患者を対象に、6ヶ月間PR施行し、PRをおこなわない対照群と比較して、PR前後で呼吸機能検査、DLH、運動持続時間、呼吸困難感、QOLを評価し、対照群と比較する。DLHは運動負荷時における最大吸気量(IC)の減少で評価する従来法と運動負荷を行わず段階的に呼吸数を増加させ、ICの減少量で定量的に評価する過呼吸法の両者を用いて検討をおこなう。
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研究成果の概要 |
COPD患者を対象に外来通院呼吸リハビリテーション(PR)が過呼吸に伴う動的肺過膨張(DLH)を軽減させるかについて検討した。対象群は22名でPRを行わなかった対照群は10名で検討した。PR3か月後および6か月後に評価をおこなったが、いずれの群においてスパイロメトリーおよび6分間歩行距離には有意な改善を認めなかった。DLHについては、PR施行群において、3か月に過呼吸時の最大吸気量は有意な増加を認めたが、6か月後には有意な改善は得られなかった。COPDに対する外来通院PRは3ヶ月という短期においては、過呼吸時のDLHを軽減させるが、長期になるとこれらの効果は得られなくなると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
外来通院呼吸リハビリテーション(PR)という限られた条件においても短期では有意に肺過膨張を軽減し、呼吸数増加に依存する肺過膨張を改善させた。しかしながら呼吸数増加に依存したICの減少量(ΔIC20, ΔIC30, ΔIC40)に対しては効果が得られないことが判明した。つまり、過呼吸に伴う肺への空気の取り込み、すなわちエアートラッピングに対しては無効である。この点が気管支拡張薬の効果と異なる点と考えられた。以上の結果からPRによる効果の一部に呼吸数増加に依存した肺過膨張抑制効果が関与していることが判明し、PRの効果としてDLHを評価する意義がある。
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