研究課題/領域番号 |
19K08603
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
入來 豊久 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (20802078)
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研究分担者 |
藤原 章雄 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 講師 (70452886)
一安 秀範 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (50419636)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 小細胞肺癌 / 腫瘍関連マクロファージ / マクロファージ / 環状スルフィド化合物 / スルフィド化合物 / STAT3 / DLL3 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、標準治療の進歩に乏しい小細胞肺癌(SCLC)の新たな治療法の開発を目的に、Mφの活性化を調節する化合物をSCLCの治療に応用しようとする研究である。 本研究では、我々が発見したMφの活性化を制御する環状スルフィド化合物を用いての既知抗腫瘍療法との併用効果の検証、および近年、SCLCの新たな治療標的として注目されているDLL3のMφの活性化に与える影響を解析することで抗DLL3抗体-抗腫瘍薬複合体の腫瘍微小環境、特にMφ活性化に与える作用の解析を行い、Mφの活性化制御という新たなメカニズムを介したSCLCの治療に応用可能な分子標的薬や治療法の開発を行うための基礎的知見を得ることを目指す。
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研究成果の概要 |
治療標的や治療薬の開発が課題である小細胞肺癌(SCLC)の新たな治療戦略を目指して、本研究では腫瘍浸潤マクロファージ(Mφ)の活性化制御によるSCLCの治療戦略の有効性を検証した。本研究では申請者らが同定した環状スルフィド化合物であるOnionin Aや、その誘導体がSTAT3阻害によりMφの活性化を制御することで腫瘍細胞の増殖を抑制することを明らかにした。また、それら化合物がSCLC移植モデルマウスにおいても腫瘍浸潤Mφの活性化制御を介した腫瘍免疫の賦活により腫瘍進展を抑制することを明らかにした。ゆえに、Mφの活性化制御がSCLCに対する新規治療戦略の候補となりうる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は標準治療の進歩に乏しい小細胞肺癌に対して、マクロファージの活性化を調節する化合物を治療に応用しようとする研究であり、本研究にて数種の環状スルフィド化合物がマクロファージの活性化制御により小細胞肺癌に有効性を示すことを明らかにした。本研究成果は小細胞肺癌治療において腫瘍微小環境の制御が治療ターゲットとなりうる可能性を明らかにしたことで新たな治療戦略の一助となるものと考えられる。
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