研究課題/領域番号 |
19K08641
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構東京病院(臨床研究部) |
研究代表者 |
成本 治 独立行政法人国立病院機構東京病院(臨床研究部), 臨床研究部, 医長 (20637011)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 過敏性肺炎 / 羽毛 / Selenium Binding protein / 沈降抗体 / 間質性肺炎 |
研究開始時の研究の概要 |
過敏性肺炎は診断が非常に難しい疾患である。なかでも慢性過敏性肺炎は、特発性間質性肺炎との鑑別が困難であり、環境の隔離や暴露による変化も目立って呈さないことも多く、診断が極めて難しい。原因抗原は複数報告されているが鳥関連の過敏性肺炎が非常に重要である。本邦では、2003年に東京医科歯科大学稲瀬医師らにより羽毛製品に関連した過敏性肺炎の症例が報告され、羽毛による過敏性肺炎は潜在的に相当数存在することが疑われるものの、慢性的な経過の多い鳥関連過敏性肺炎のかなりの割合が特発性間質性肺炎として診断されている可能性がある。本研究では鳥関連過敏性肺炎の実態を明らかにし、その病態解明に繋げることを目標とする。
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研究成果の概要 |
慢性過敏性肺炎に関し、日本においては、厚生労働省びまん性肺疾患研究班から鳥関連過敏性肺炎が最も多いことが報告されている。近年普及が著しい羽毛布団による過敏性肺炎は相当数存在することが疑われるものの、今まではハト糞由来のタンパク質で検査がされている実情があった。過敏性肺炎の強く疑われる患者に対して羽毛業者から直接取り寄せた羽毛から直接抽出した抗原を用いて沈降抗体反応陽性であるがハト糞抽出抗原の沈降抗体反応は陰性である患者を多く認め、未知のタンパク質への反応が疑われたため、当院ではそのたんぱく質の同定を試み、Selenium binding protein 1を同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
過敏性肺炎は上述の通り診断が難しい疾患である。過敏性肺炎の中では鳥関連が最も多いと厚生労働省びまん性肺疾患研究班から報告されている。鳥関連の抗原の暴露の機会は、現代では羽毛が最も多いと推測される。しかしながら羽毛布団に使用されるダックやグースからの羽毛からの直接抗原の抽出は、既に洗浄済みの羽毛からはごく少量しか取れず、代わりにハト糞からの抽出抗原が使用されてきた。しかし、ダックの羽毛からの抽出抗原とハト糞からの抽出抗原では一部の患者において反応性が異なっていた。この研究の結果は羽毛布団に関連した過敏性肺炎患者の診断の一助となる可能性がある。
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