研究課題/領域番号 |
19K08663
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 東北医科薬科大学 |
研究代表者 |
大河原 雄一 東北医科薬科大学, 薬学部, 教授 (40333801)
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研究分担者 |
藤村 務 東北医科薬科大学, 薬学部, 教授 (70245778)
渡邉 一弘 東北医科薬科大学, 薬学部, 准教授 (10382673)
中川西 修 東北医科薬科大学, 薬学部, 准教授 (50296018)
大野 賢一 帝京平成大学, 薬学部, 准教授 (20347272)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 気管支喘息 / 肥満 / 内臓脂肪組織 / 薄層クロマトグラフィー / 液体クロマトグラフィータンデム質量解析 / 質量分析 / アディポカイン / 腹部内臓脂肪組織 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、気管支喘息に対する治療の進歩により喘息死数は年々減少している。その一方、高齢者を中心とした重症・難治性喘息患者の喘息死数の減少はわずかであることから、その病態を明らかにし、新たな治療法の開発が急務となっている。近年、生活習慣病の基本病態である肥満が喘息の重症・難治化に関与していることが明らかとなり、この肥満による喘息悪化の機序を解明することは、新たな喘息治療法の開発に有用と考える。そこで本研究では、多様な生物分子を分析対象とできる質量分析法を用いて、肥満による喘息悪化に関与している未知の因子を同定することで喘息の重症・難治化の機序を明らかにし、新たな治療法を開発することを目的とする。
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研究成果の概要 |
肥満により増加した腹部脂肪組織の喘息に及ぼす影響と因子について検討した。肥満喘息マウスの腹部脂肪組織細胞を非肥満喘息マウスの腹腔に移入した群の喘息反応は、非肥満喘息マウスの細胞を移入した群と比較して有意に増強したことから、肥満による腹部脂肪組織が喘息悪化に関与することが示された。次に、抗原吸入前後の腹部脂肪組織を薄層クロマトグラフィーで検討した結果、抗原吸入前後で発現が変化する複数の分子を確認した。今後、それらの分子を抽出し、液体クロマトグラフィータンデム質量分析で検討して構造や機能を明らかにすることは、肥満やその他の原因による重症・難治性喘息の病態解明と新たな喘息治療の開発に有用と考える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、肥満人口の増加と共に肥満に伴う多くの健康障害が問題となっている。更に肥満は、喘息の悪化・難治化の原因と考えられているが、詳細はいまだ不明である。本研究では、肥満と喘息はともに慢性炎症が基本病態であることに注目し、肥満による腹部脂肪組織の機能的変化が気道の慢性炎症に影響を及ぼして喘息悪化に関与していると仮説を立て検討した。本領域において腹部内臓脂肪に着目した研究は、これまでにない斬新で新たな視点に基づくもので、本研究で得られた結果は、肥満をはじめ患者因子の多様性が関与する難治性・重症喘息の新しい治療法の開発に寄与し、喘息死の減少や医療費の軽減といった社会的要請にかなうものと考える。
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