研究課題/領域番号 |
19K08699
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
古市 賢吾 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50432125)
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研究分担者 |
和田 隆志 金沢大学, その他部局, その他 (40334784)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 急性腎障害 / 疾患特異的iPS細胞 / 腎修復 / CAGE解析 / 修復 / 特異的iPS細胞 / CAGE法 / 疾患特異的iPS |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、急性腎障害を対象とし、その修復機序の解明を目指した研究である。長期的には、急性腎障害からの修復を示す新規バイオマーカーおよび治療標的分子を同定する事を目的とする。 本研究計画では、急性腎障害モデルマウスの検討と、疾患特異的iPS細胞による腎系譜細胞誘導および胎仔マウスの器官培養法など合わせて研究を行う。我々が独自に稀少遺伝性疾患症例から作成した疾患特異的iPS細胞は、腎発生に必須の転写因子PAX2遺伝子に変異を有し、その解析には、1塩基レベルで転写活性を評価でき、本解析に最適かつ最先端の手法であるCAGE 法を用いる。
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研究成果の概要 |
本研究は、急性腎障害の慢性障害への移行を阻止することを目標に、修復機序の解明を目指した研究である。腎発生に重要なPax2遺伝子に異常を持つ腎コロボーマ症候群症例から、疾患特異的iPS細胞を作成し、腎系譜細胞へ誘導した。得られたサンプルからCAGE法およびChip-Seq解析を進め、修復に関わると考えられる候補分子を同定した。これらのデータとマウス胎仔腎のオープンデータベースから17遺伝子(28プロモータ領域の活性)を確認した。また、マウス虚血再還流モデルなどのサンプルを用いて、最終的に,PBX1, POSTN, ITGA9の3遺伝子をPAX2関連の再生・修復に関する因子として同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腎再生や修復機序の解明は、これまでも試みられてきたが、腎発生との関連の研究は限られていた。今回、非常に稀少な遺伝性疾患であるPax2遺伝子変異を伴った腎コロボーマ症候群症例の疾患特異的iPS細胞を腎系譜細胞へ分化させ、その関連分子を同定できたことは、本分野における重要なマイルストンと考える(Sci Rep. 2021;11:9123. )。今回同定された腎再生・修復に関わると考えられる候補分子には、これまで腎障害や修復への関与は報告されていないものも含まれている。直接的な修復に果たす意義は更なる解析が必要だが、バイオマーカーや治療薬開発に向けた重要な足がかりになる可能性があると考える。
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