研究課題/領域番号 |
19K08717
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
久保田 浩之 (卯木浩之) 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 室長 (40323290)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 糖尿病性腎臓病 / 腎機能低下 / 尿プロテオーム / 尿中タンパク質 / 糖尿病性腎症 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病の重篤な合併症のひとつである糖尿病性腎症は進行するまで自覚症状を伴わないことが多い。近年の腎病理学的解析から糖尿病性腎症には多様な病理像が認められることが報告され、腎機能予後と相関を示す病理像の存在も明らかになりつつあるものの、腎生検の侵襲性の高さや合併症のリスク等ゆえ糖尿病性腎症と診断されて腎生検が実施されることは稀である。そこで本研究では、非侵襲である尿検査によって糖尿病性腎症の予後を診断可能とする方法を開発することを目的に、申請者らが先行尿プロテオーム研究にて見出した糖尿病性腎症関連タンパク質と腎機能予後との関連を前向き観察研究集団にて検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では腎機能が正常な2型糖尿病患者を対象にeGFR低下に先行して変動する尿中因子の探索を行い、腎機能低下群と対照群との比較により有意差を示す尿中タンパク質11種を同定した。さらに腎機能低下を目的変数としたロジスティック回帰分析において、このうち9タンパク質が独立危険因子となった。一方、先行研究において尿アルブミン・クレアチニン比の変動との関連を認めた尿中afamin濃度は、有意水準には至らなかったものの対照群に比べ腎機能低下群で上昇していた。尿中afaminタンパク質濃度に加え本研究で同定したタンパク質の尿中濃度は腎機能予後予測マーカーとして活用できる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病性腎臓病患者における腎機能低下の危険因子である尿アルブミン・クレアチニン比やeGFRは、本研究で解析対象とする糖尿病性腎臓病を発症していない2型糖尿病患者における腎機能低下と明らかな関連を示さなかった。したがって本研究で新たに同定された尿中タンパク質の尿中濃度を用いた腎機能予後予測法を構築し、その有用性が示されれば、早期腎症期を的確に診断し、適切な治療介入により糖尿病性腎臓病の進展を阻止できる可能性がある。また、腎機能予後予測プログラムにて腎機能低下ハイリスク群と判定された2型糖尿病患者を対象として、腎機能低下をより効率的に予防する新たな治療法開発を進めることも可能となる。
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