研究課題/領域番号 |
19K08741
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(千葉東病院臨床研究部) |
研究代表者 |
今澤 俊之 独立行政法人国立病院機構(千葉東病院臨床研究部), 腎センター, 腎センター長 (80348276)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 糖尿病性腎臓病 / 結節病変 / トランスクリプトーム解析 / 腎組織 / バイオインフォマティクス解析 / トランスクリプトーム |
研究開始時の研究の概要 |
結節病変(NL)を有するDKDの予後は不良である。近年の技術的革新により、生体組織を用いたOmics解析により、未解決課題を克服できる可能性が示されている。これまで、我々も、ヒトの腎生検組織を用いたトランスクリプトームを行うための技術開発を行い、既に研究基盤を確立させた。 本研究では、NLを有するDKD症例のうち、予後不良“通常例”と予後良好“特殊例”の既存腎生検組織を用いたトランスクリプトーム解析を行い、これまで判明していないNLの進行・抑制因子の同定を試みる。将来的には現在治療困難(未解決課題)であるNLを有するDKDへの有効な治療法開発や、バイオマーカー開発へ発展することが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では結節性病変(NL)を有する糖尿病性腎臓病(DKD)予後決定因子を探索することを目的とした。そこで、腎生検を行い病理学的にNLを有するDKDと診断された症例を対象に、保存された残存腎生検検体を用いてトランスクリプトーム解析を行い、その結果をもとにバイオインフォマティクス解析を行い予後を決定する上流因子の探索を試みた。その結果、CDH1、CD24、ESR1が候補因子として選ばれてきた。さらに同一症例の残存腎組織を用いてqRT-PCRならびに免疫染色を行った結果、予後良好群でESR1の発現が増強していることが示された。ESR1は結節病変のあるDKDに対し腎保護効果がある可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病性腎臓病(DKD)において結節性病変(NL)を有する症例では予後が悪い(eGFR低下スピードが急速)であることが知られており、現在有効な治療法がない。しかし実臨床においては、NLを有する症例でもeGFR低下が緩やかな症例もあり、予後の良い症例と悪い症例の差を生み出している因子を探求することで、腎保護因子が見いだされれば、新たな治療法に繋がり、NLを有するDKDの予後を改善させることができる可能性がある。今回我々はNLを有するDKDにおいてESR1が腎予後を改善する可能性がある因子であることを初めて見出した意義は以上の点からも大きな意義があると考えられる。
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