研究課題/領域番号 |
19K08759
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
河野 通良 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (30403182)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 掌蹠膿疱症 / 歯性病巣感染 / マイクロバイオーム / 炎症性疾患 / 病巣感染 / 炎症性皮膚疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では日本人掌蹠膿疱症患者の口腔マイクロバイオーム解析データの蓄積を目指し、さらに、尋常性乾癬、乾癬性関節炎、関節リウマチ、炎症性腸疾患、IgA腎症患者の口腔マイクロバイオームとの比較を行う。また、これらの疾患のマイクロバイオームと唾液中のサイトカインの変化における相関を調べる。また、唾液でのマイクロバイオーム,サイトカインの変化と、扁桃,歯肉粘膜,頬粘膜など異なる部位のそれと比較検討する。これらの解析結果により、掌蹠膿疱症およびこれらの炎症性疾患に起因する日本人特有の治療ターゲットまたはバイオマーカーに成り得る菌種やサイトカインの同定を目指す。
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研究成果の概要 |
これまで、掌蹠膿疱症(PPP)の皮膚症状は歯科治療により改善することが知られていることから、歯科治療により皮膚症状が改善した群7名と改善しない群6名の口腔細菌叢を比較した結果、歯科治療後に皮膚症状が改善した群は口腔細菌叢の多様性が高く、菌種組成が異なることを見いだした。さらに、歯科治療前後の細菌叢の変化を比較したところ、PCoAで改善群の細菌叢は非改善群と比較して治療後に大きく変化しており、改善群の細菌叢では非改善群より多くの菌種が消失していた。このことから、改善群では歯科治療後にマイクロバイオームがより大きく変化している可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2022年に日本皮膚科学会より上梓された「掌蹠膿疱症診療の手引き」では歯性病巣感染治療の重要性が示されており、PPPと歯性病巣感染の関連性を示すエビデンスとなりうる本研究成果の学術的意義は高い。また、現在PPPの治療薬として承認された抗IL-23抗体に加え、複数のバイオ製剤の開発が進められているが、歯科治療により改善する症例や、関節症状のない症例では導入する意義は低い。真に必要な症例に対するバイオ製剤導入のエビデンスを提供し得る予後予測因子の同定は、独創的かつ患者本位の診療、我が国の医療経済に資するものであり社会的意義を持つと考えられる。
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