研究課題/領域番号 |
19K08763
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
森田 梨津子 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 上級研究員 (20700040)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 毛包幹細胞 / ライブイメージング / 1細胞トランスクリプトーム / single-cell RNAseq / シングルセルRNA-seq / 1細胞ライブイメージング |
研究開始時の研究の概要 |
毛包の高い再生能を支える毛包表皮幹細胞が、胎仔期に正しい場所、正しい時に誘導される機構については、いまだ十分に理解されていない。私たちはこれまでに、1細胞解像度のライブイメージングと1細胞トランスクリプトーム解析を駆使して、初期毛包の発生を解析し、細胞の発生系譜と、各系譜の遺伝子発現の変化を網羅的に同定した。そこで本研究では、幹細胞誘導過程で働く遺伝子群から、幹細胞へのlineage primingに寄与するコアな遺伝子ネットワークとこれを駆動するマスター制御因子を明らかにし、胎生期に一見均質な細胞から幹細胞と多くの機能細胞が生み出され秩序が形成されるまでの仕組みを理解する。
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研究成果の概要 |
成体毛包の再生能を生涯にわたって支える毛包上皮幹細胞が、胎仔期に正しい場所、正しいタイミングで誘導される機構については、いまだ十分に理解されていない。そこで本研究では、毛包幹細胞へのlineage primingのメカニズムを理解することを目指した。私たちはこれまでに、1細胞解像度のライブイメージングと1細胞トランスクリプトーム解析を組み合わせたマルチオミクス解析から、毛包幹細胞の発生起源と形成過程を明らかにした。さらに将来の毛包幹細胞は、発生過程においてWnt low/Bmp highの領域から生まれ育まれることを見出した (Morita et. al, Nature 2021)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、毛包発生過程において、「幹細胞になる細胞」と「ならない細胞」の違いと形成メカニズムをこれまでにない解像度で明らかにしている。一見均質な細胞から幹細胞と分化細胞が生み出され組織の秩序や恒常性が形成されていく仕組みを理解することは、毛包だけでなく多くの器官発生に普遍的に存在する「可塑性と頑強性」の理解に繋がると期待される。さらに、幹細胞の形成、適切な維持・制御の機構が解明されれば、生体外における毛包培養や胎仔性幹細胞の誘導・増殖・分化の制御技術の開発に大きく寄与することが期待され、将来的には薬剤評価系の確立など、皮膚や毛包に伴うがんや疾病に向けた創薬開発に貢献できると期待される。
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