研究課題/領域番号 |
19K08811
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
|
研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
河原 真大 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (80617449)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | Leukemia / Transcription Factor / Super-enhancer / 白血病 / スーパーエンハンサー / キメラ遺伝子 / 転写因子 / ヒストン修飾 |
研究開始時の研究の概要 |
造血に関わるマスター転写因子群は、ネットワークを形成して造血分化を司る。マスター転写因子の近傍に位置するエンハンサーの密集体「スーパーエンハンサー」が、他の転写因子やヒストン修飾因子により制御されることを介して、転写因子ネットワークを調節しているらしいことが最近明らかとなった。しかし、スーパーエンハンサーの制御異常が急性白血病発症の直接のトリガーとなるのかは不明である。そこで本研究では、スーパーエンハンサーの制御異常が白血病発症に寄与することを明らかにし、どのようにスーパーエンハンサーの制御異常が誘導されるのかを明らかにすることで、新たな治療薬開発のための基盤的データの取得を目指す。
|
研究成果の概要 |
急性白血病は予後不良の疾患で、新たな治療法開発にむけた病態の解明が必要である。転写因子がネットワークを作って血球産生を調節するが、その異常は急性白血病の原因となる。本研究では、転写因子同士のネットワークがスーパーエンハンサーと呼ばれる遺伝子発現調節領域を介して行われることを明らかにした。さらに、スーパーエンハンサーの異常な抑制や変異が転写因子ネットワークを壊して急性白血病発症の一因となることを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトの設計図とされるゲノムには、遺伝子をコードする部分(CDS領域)とそれ以外(非CDS領域)の部分がある。これまで白血病の発症には、CDS領域の変異により遺伝子の機能がおかしくなることが重要とされてきた。一方でCDS領域は全ゲノムの約2%未満に過ぎず、非CDS領域の異常については解明が進んでいなかった。今回の研究で、非CDS領域の特定の部分に異常があると、遺伝子そのものに異常がなくとも遺伝子同士のネットワークがおかしくなって白血病の発症に関与することが明らかとなった。そしてその異常を是正する薬剤が白血病治療に役立つ可能性を示すことができた。
|