研究課題
基盤研究(C)
申請者らは79名の骨髄不全(BFS)患者を対象に血清中の可溶性NKG2Dリガンド(sNKG2DL)を測定し約5割の患者がsNKG2DL陽性で、sNKG2DL陽性と血球減少に相関があることを見つけた。本研究では検討数を増やしMDS診療におけるsNKG2DLの臨床的意義を確立する。一方、申請者らは若年発症MDS患者にLIG4(DNA ligase IV)遺伝子の新規変異を見つけた。本患者のLIG4変異を模したlig4変異マウスを作成したところ、骨髄細胞密度低下・白血球数低下・MDS類似形態異常を示す白血球を生じた。このマウスを使い、MDS病態形成とNKG2D免疫との関連を調べる。
(1)骨髄異形成症候群(MDS)患者と健常者の血清sNKG2DLs 値を測定した。健常者と比較し MDS患者では血清sNKG2DL値は低値であった.既報によると、MDSと同様の骨髄不全を呈する再生不良性貧血(AA)患者や発作性夜間血色素尿症(PNH)患者の血清sNKG2DLは健常者より高値であることが示されている。この結果から、血清sNKG2DL値はMDSとAAおよびPNHの鑑別に有用であることが示唆された。(2)MDS患者に新たな遺伝子変異を同定しモデルマウスを作成した。このマウスは造血不全と腸炎を発症した。異常血球が腸炎発症に重要であることを確認できた。
骨髄異形成症候群(MDS)は、高齢者に好発する難治性血液疾患で、血球数低下をきたし、時に自己炎症性疾患を併発する。MDSの血球数低下には免疫介在性細胞障害が関与している。私達はMDSにおけるNK免疫の関与を調べるために、患者血清のNKG2Dリガンド値を調べた。その結果、MDS患者の血清NKG2Dリガンド値は健常人よりも低値であることがわかった。この結果は血球数低下をきたす類似疾患(再生不良性貧血や発作性夜間血色素尿症)と異なっており、鑑別診断に有用である。また、MDSのモデルマウスを作成したところ、血球数低下の他、自己炎症性腸炎を発症した。このマウスはMDSの免疫病態を調べる上で有用である。
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