研究課題/領域番号 |
19K08837
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
杉山 立樹 大阪大学, 生命機能研究科, 招へい研究員 (10456791)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 骨髄 / 造血幹細胞 / ニッチ / CXCL12 / CAR細胞 / 骨髄再構築 / 慢性骨髄性白血病 / 造血幹細胞移植 / 間葉系幹細胞 / 同種造血幹細胞移植 |
研究開始時の研究の概要 |
造血幹細胞は骨髄のニッチと呼ばれる特別な微小環境に接着し維持されます。我々をはじめとした近年の研究で、骨髄に特異的な間葉系幹細胞であるCAR細胞や血管内皮細胞が、サイトカインのCXCL12やSCFの産生を介して造血幹細胞を維持し健常時におけるニッチを形成していることが明らかとなってきました。一方で、同種造血幹細胞移植では、移植された少数の造血幹細胞が骨髄のニッチに生着し急速に数を増やして造血幹細胞プールを再生しますが、そのメカニズムの多くが不明です。そこで本研究では、骨髄再構築で造血幹細胞がニッチに局在し、ニッチが造血幹細胞を増幅するメカニズムを解明することを目指します。
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研究成果の概要 |
成体を循環するほとんど全ての血液細胞は造血幹細胞(HSC)から産生され、そのHSCは骨髄に存在する特別な微小環境(ニッチ)によって維持されている。これまでの研究により、CAR細胞(CXCL12高発現細網細胞)がHSCニッチの中心的な細胞であることが明らかになった。 本研究では、従来不明であったマウスCAR細胞に対応するヒトの細胞(ヒトCAR細胞)を単一細胞レベルで同定した。さらに血液疾患におけるヒトCAR細胞の変化をフローサイトメトリーや組織学的解析を用いて評価する方法を確立し、慢性骨髄性白血病(CML)ではその重症度に比例してCAR細胞の遺伝子発現パターンが変化していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、マウスにおいて造血幹細胞ニッチを構成する中心的な細胞であるCAR細胞(CXCL12高発現細網細胞)に対応する細胞の存在がヒトにおいても明らかにされた。ヒトCAR細胞は主要な造血サイトカイン・必須の転写因子の発現や細胞分化能においてマウスCAR細胞と多くの点で類似していた。また種々の血液疾患におけるヒトCAR細胞の変化を解析し、慢性骨髄性白血病ではその重症度に比例してCAR細胞の遺伝子発現パターンが変化することも明らかにした。これにより、ヒトCAR細胞を中心とした造血ニッチ細胞が、造血障害の程度や予後の予測等の診断や治療の重要な標的となる可能性が示された。
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