研究課題/領域番号 |
19K08858
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 聡 東京大学, 医科学研究所, 特任教授 (60226834)
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研究分担者 |
服部 浩一 順天堂大学, 大学院医学研究科, 特任先任准教授 (10360116)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 血管内皮細胞 / アンジオクライン / 細胞・組織 / シグナル伝達 / 生体分子 / 造血幹細胞増幅 / 造血幹細胞生着 / 造血幹細胞移植 / アンジオクライン因子 |
研究開始時の研究の概要 |
生着不全や造血能回復の遅延は、臍帯血移植において克服すべき重要課題である、近年、血管内皮から成長因子やケモカイン、接着分子などで構成されるアンジオクライン因子が分泌されること、そしてこれらの発現に応じた組織特異的血管内皮の存在が示唆され、こうしたアンジオクライン因子による生体恒常性維持機構―アンジオクラインシステムの概念が提唱された。本研究では、臨床検体、また動物実験を含めた生体内外の実験系を通じて、骨髄におけるアンジオクラインシステムの解明を主な目的とし、造血幹細胞と組織特異的血管内皮細胞移植共移植の有用性を確認することまでを目的の範疇とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、臍帯血移植における骨髄組織特異的血管内皮に注目した、斬新なアプローチで生着不全の克服と、造血回復の促進を目標に据えた基礎的研究を行った。すなわち、研究分担者らの先行研究によって明らかになっているニッチ構成分子である血管内皮細胞に、造血幹細胞増殖、分化促進能が潜在していることを確認し、疾患動物モデルや細胞移植モデル等を用いて、成体血管内皮細胞の造血系細胞の増殖能、成体内の血管内皮造血転換の詳細を明らかにしていった。本研究は臍帯血移植の重要課題である生着不全と造血回復遅延に対し、造血系細胞と血管内皮細胞との共移植療法の有効性を示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
造血発生過程で認められる血管内皮造血転換を成体細胞―血管内皮細胞の潜在能力と捉えて、生体恒常性維持あるいは血管内皮細胞と造血幹細胞との相互作用の解明から、血管内皮細胞の移植医療への活用へと展開した本研究成果は、臍帯血移植の安全性と有効性を高め、移植患者の生命予後の改善につながる他、再生不良性貧血等の他疾患の新しい視点からの病態解明、さらには老化に伴う生体変化機構の解明等の副次的な成果を得ることとなった。
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