研究課題/領域番号 |
19K08866
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
江口 真理子 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (40420781)
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研究分担者 |
江口 峰斉 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (50420782)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 白血病 / MLL融合遺伝子 / 遺伝的背景 / iPS細胞 / 白血病幹細胞 / 小児 / 遺伝子異常 |
研究開始時の研究の概要 |
急性白血病は小児期で最も多いがんである。抗がん剤の多剤併用による化学療法の発展により、その治療成績は改善したが、化学療法によって障害を残し、治癒後長期にわたり後遺障害に苦しむ患者も少なくない。近年分子標的療法として、白血病特異的な遺伝子異常をターゲットとした治療法が開発・応用されているが、白血病の後遺症なき根治のための戦略として有効な方法は分子標的療法に加えて、その発症予防および再発予防である。本研究では、小児急性白血病の発症に至るプロセス、特に白血病幹細胞の成立に必須な遺伝子異常の獲得プロセスを解明し、小児急性白血病の発症および再発予防の可能性について検討することを目的とする。
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研究成果の概要 |
乳児白血病における胎生期のMLL融合遺伝子形成のメカニズムを解明するために、白血病患者の遺伝的背景の関与について、iPS細胞モデルを用いて解析を行った。MLL融合遺伝子陽性の白血病患者の寛解期末梢血およびコントロール末梢血よりiPS細胞を樹立し、Bリンパ球系統の細胞への分化を行った。このBリンパ球分化の過程において、MLL融合遺伝子の形成の有無を検討したところ、解析した3例の患者由来のiPS細胞で低頻度ではあるがMLL融合遺伝子の形成が認められた。その形成にはTopoII阻害剤の存在は必須ではなかった。MLL融合遺伝子の生成には患者の有する何らかの遺伝的背景が関与している可能性が示唆された
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
MLL融合遺伝子を有する乳児急性リンパ性白血病は、予後の改善が著しい小児白血病の中で、今なお治療抵抗性の白血病である。MLL融合遺伝子陽性乳児白血病の発症過程を明らかにし、発症予防につながる情報を得るため、患者細胞より樹立したiPS細胞を用いた造血細胞への分化系を確立し、白血病発症の初期段階のMLL融合遺伝子の形成のメカニズムについて検討した。その結果MLL融合遺伝子の形成には患者が有する何らかの要因(遺伝的背景など)が関与している可能性が示唆された。この遺伝的背景と、関与しうる環境要因などの外的因子を明らかにすることにより、MLL融合遺伝子陽性の乳児白血病の発症予防につながる可能性がある。
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